注目される「藻類からつくるバイオ燃料」安価ではやく、大量生産できる技術を米大学が開発

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アメリカ、ユタ大学の研究チームが、水中で生育する藻類からバイオ燃料を安価で大量につくる技術を開発した。

いま、藻類によるバイオ燃料は化石燃料に代わる新たなエネルギーとして日本国内外から注目を浴びている。昨年は、米ミシガン大学が藻類からディーゼル燃料を開発するなど、車や船、飛行機への活用に向けて、さまざまな機関が研究・開発を行っている。

しかし、まだこの開発には課題も多い。そのひとつが、安価で大量生産することの難しさだ。池や、湖、川に住む微生物の中には、ディーゼルエンジンの動力となるバイオ原油が含まれる。しかし、水生植物からバイオ原油を抽出するには多くのエネルギーを必要とし、従来の方法では、抽出の際に消費するエネルギー量がバイオ燃料から実際に得られるエネルギー量を上回ってしまっていた。

そこでユタ大学研究チームが開発したのが、これまでの抽出方法よりもはるかに少ないエネルギーでバイオ原油を抽出できるジェットミキサーだ。このミキサーを使えば、バイオ原油をわずか数秒で抽出できるため、エネルギー効率があがる。

研究チームは、ミキサー内にある藻類に溶媒を発射して反応させ、脂質が溶媒の中の短い距離を飛ぶ乱流を作った。溶媒はそのあと取り出し、同じ工程で再利用できる。「これにより、バイオ原油の抽出に多くのエネルギーを費やす必要がなくなり、燃料をはやく大量に精製できる。この技術はバクテリアやキノコ、微生物など藻類以外にも応用できるだろう」と、同研究を行うモハンティ准教授は述べている。

藻をエネルギーに変える技術

(c)Hixson/University of Utah College of Engineering

アメリカのエネルギー省は、2017年のアメリカの一次エネルギー総消費量の約5%パーセントがバイオマスでまかなわれたと発表している。藻類をつかう利点は、池や水路、またはバイオリアクターで繁殖し、燃料生産用として大量に収穫できることだ。そして藻が多く育てば、大気中のCO2を吸収することもできる。

今回の研究の論文を共同執筆したピース氏は、「革新的な技術だ。今回開発された技術は、藻類や他の細胞由来のバイオ燃料開発に大きな変化を起こす可能性がある。夢は、すぐ手の届くところにあるかもしれない。」と述べている。

ジェットミキサーを用いて藻からバイオ燃料を安価ではやく、大量に生産する技術。今後のさらなる開発が期待される。

【参照サイト】Turnig aglae into fuel – UNIVERSITY OF UTAH ENGINEERS DEVELOP FAST METHOD TO CONVERT ALGAE TO BIOCRUDE
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