新型コロナウイルス感染症の蔓延にともなって、手洗いの重要性が見直されるようになった。しかし、災害時やキャンプなどの野外活動の際には、きれいな水が近くにないことも多い。そこでアメリカでは、川や湖などの水を太陽光を使ってろ過し、蛇口からきれいな水を使うことができるコンパクトな携帯用手洗いシンク「GoSun Flow」が登場した。
GoSun Flowを開発したのは、アメリカ・オハイオ州に本拠を置くGoSun社だ。同社はこれまでにも太陽光で湯を沸かせて料理もできる調理器「GoSun Go」や、太陽光を使ったクーラーボックスなど、電源や燃料を使わないオフグリッド生活を促進する製品を発表してきた。
新製品となるGoSun Flowのパッケージにはソーラーパネルが統合されており、フィルター、ポンプ、パワーバンク、ホース等が入っている。これらが水をろ過して、携帯用の手洗いシンクやシャワーなど、清潔な水の供給源として機能するのだ。
使用するときは、付属のホースを川や湖などの水源(塩水を除く)に入れて、GoSun Flowのパワーバンクの電源を入れるだけ。太陽光が水を自動で浄化し、蛇口やシャワーから新鮮な水が流れ出す。手動ポンプの代わりにUSB駆動のポンプが自動取水するので、使用者が疲れることはない。また、蛇口やシャワーは付属クリップでテーブルやフェンスなどに簡単に取り付けられ、柔軟なヘッドによって好みの位置で水を使用できるので便利だ。
ろ過速度は1分で約1リットル。ポンプへの電力はパッケージに統合されたソーラーパネルから、もしくはスマートフォンからUSB ケーブルを使って供給できる。USB OTG対応のほとんどのAndroidのスマホでポンプを数時間稼働させられるが、iPhoneでのポンプ稼働は難しいとのこと。付属のパワーバンクからも電力供給でき、一回の充電で454リットルの水をろ過できる。
フィルターはアルミナナノファイバーフィルターとカーボンフィルター、ポリプロピレンディスクフィルターの3種類から成り、水から細菌を除去する。フィルター1本で1,000リットルの水をろ過でき、フィルター交換も簡単だ。ホースを使わずに、フィルターのみを付属の水入れ袋やペットボトルなどに直接取り付けてろ過し、そのまま飲むこともできる。
GoSun Flowは現在クラウドファンディングを行っており、すでに目標額の15倍以上を達成。価格は浄水フィルターセットが149ドル(約1万6,000円)、シンクとシャワーがついた浄水セットが199ドル(約2万1,300円)ほど。日本へも送料各90ドル(約9,600円)と110ドル(約1万1,800円)追加で配送可能だという。
電源も燃料も使わずに、太陽のエネルギーのみで水を自動で汲み上げて、きれいな水を蛇口やシャワーに送るGoSun Flow。大きな災害がしばしば起こり、清潔な水の大切さと丁寧な手洗いが注目されるいま、画期的な製品の登場となる。
【参照サイト】GoSun Flow: Water Purifier and Sanitation Station
(※画像:GoSun Flowより引用)