顔が見える洋服のオンライン受注会。Enter the Eが生み出す作り手と買い手のつながり

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エシカルファッション専門のセレクトショップ「Enter the E」が、作る人と着る人を直接つないだ新しい洋服の選び方の提案、「顔が見えるオンライン受注会」を開催した。第1弾は、男女ともに絶大な人気を誇るスペイン発サステナブルファッションブランド「Thinking MU」の創業者 Pepe Barguñóさんをゲストに、この夏おすすめのエコでフェアトレードのアイテムを紹介。約130名の参加者とのコミュニケーションが生まれた。

顔の見える距離で、必要なものだけを届ける

「Enter the E」は、人や環境に配慮した洋服だけを集めたセレクトショップとして、2019年にスタート。品質・デザイン・経済性を兼ねそろえたサステナブルなブランドが少ない中、幅広いデザイン性や価格のオーガニック・リサイクルアイテムを取り揃えている。また、環境汚染やエネルギーの枯渇など、作る責任を考えながら作られた25ブランドの洋服も紹介している。

今回のゲストであるスペイン発のサステナブルブランド「Thinking MU」は、人生を楽しむ人のための、遊び心溢れるデザインが特徴のバルセロナのファッションブランドだ。サステナビリティへの追求心は非常に高く、すべての商品は100%エコロジーまたはリサイクルされた天然繊維で生産されている。GOTS認証(オーガニックの繊維製品の国際認証・グローバルオーガニックテキスタイル基準)を取得しており、バナナ繊維やリサイクルポリエステルといった新しいサステナブル素材にも意欲的だ。

また、地元バルセロナの衣料ゴミを回収し、再び繊維に戻して服を作る「TRASH」コレクションなど前衛的な取り組みをいち早く行っている。すべての生産プロセスは公正な貿易基準に従って行い、供給先のインドの工場とは公正なパートナーシップを長きにわたり結んでいる。これからのエシカルシーンを牽引していく存在で、倫理的でありながら、音楽・色・パターンさまざまな創造性を組み合わせたポジティブな世界観が人気だ。従来のエシカルファッションブランドと比較すると手頃な価格であるのも魅力の一つである。

Thinking MU

Image via Thinking MU

創立者のPepeさんは2006年、友人であるMiquel Castellsさんと共に、スペインで最初のエコなフェアトレードファッションブランドを創業。Pepeさん自身が社会学者、植物学者としての経験を持ち、テキスタイル生産の専門家として途上国でフェアな繊維生産、品質管理の業務に従事した。現在はThinking MUの活動のほか、ヨーロッパ・デザイン学院などで教授を務め、ガーナの農村孤児院を支援するNGOガーナ・ウナ・ソンリサを設立し、精力的に活動している。

10年前にThinking MUを始めた頃は、サステナブルファッション自体が存在していなかったと言うPepeさん。食の分野ではフェアトレードを目にする機会があるのに、ファッション分野ではあまりないことに違和感があったそうだ。そこから、ペルーなどオーガニックコットンの産地に足を運び、オーガニック認証について調べていった。スタート当時はサステナブルファッションという波を作ること自体が難しかったが、今では様々なブランドが取り組むようになり、大きな波になっていると言う。また新型コロナウイルスの状況下において、スペインでも多くの人がサステナブルファッションに関心を持つようになっており、バリューや将来性が見えてきたと話す。

「サプライチェーンのなかでもっとも急務だと思うことは?」という参加者からの質問に対して、消費者の行動に伴う責任、つまりは自分がどのブランドを買うのかが大事だとPepeさんは語った。エシカルではないものを買うということは、その非倫理的なサプライチェーンをサポートすることにつながる。他人に何かをするのではなく、自分のために何をできるかが重要であり、サステナブルなブランドをサポートすることでそのマーケット自体が大きくなり、多くのブランドがその方向に動くと話した。

リアルタイムで交流しながら受注する、ショッピングの形

トレンドに流されず、シーズンごとにテーマを設けているThinking MU。今季は「Together」をテーマに、人類発祥の地アフリカの文化にインスパイアされた、従来の固定概念やルールを取り払うコレクションを展開している。「Together」というテーマには肌の色や言葉が違いを超えた、同じ信念を共有する友情や繋がりという意味も込められている。

Thinking MU

Image via Thinking MU

今回は、インドで作られたオーガニックコットン100%のTシャツや、環境負荷が低いヘンプを使ったワンピースなど、春夏コレクションが紹介された。コレクション全体で見ても、50%がオーガニックコットン、25%がリサイクル繊維、残り25%がヘンプであり、染色も100%自然由来だそうだ。今回紹介された全12種類のアイテムは、Enter the Eのオンラインストアで6月中に受注することができる。

Enter the E

リアルタイムで質問ができるので、サイズや着用感などインタラクティブに交流できることで、アイテムの着用イメージがしやすい。

新型コロナウイルスの影響でなかなか買い物に行けない状況だが、オンラインを通して国境を越えてブランドと繋がり、コミュニケーションを取ることはとてもポジティブなショッピングの形だ。ウィズコロナ/アフターコロナのエシカル消費に対して、大きなヒントとなる試みだった。

今回のオンライン受注会の様子はEnter the Eのウェブサイトからも視聴できる。今後も、ブランド創業者をゲストに月1回程度受注会を開催するそうだ。次回受注会は6月18日開催。興味がある方は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。