ジュエリーをサステナブルに。Pandora社、すべての商品をリサイクルされた金銀へ

Browse By

美しいジュエリーは私たちの気持ちを幸せにしてくれる。お気に入りのものを身に着けるだけで気分が上がったり、その日のファッションによって身に着けるジュエリーを選んだりするのもまた楽しい。

そんな私たちを楽しませてくれるジュエリーの多くは、金や銀といった金属やさまざまな石から作られる。しかし、新しい金属の採掘は環境に影響を与えるとともに、金鉱石(金を含む鉱石)や廃水の適切な処理がされないと公害が引き起こされることもある。

image via Unsplash

今回、デンマークに本拠を置く世界最大のジュエリーブランドPandora(パンドラ)社が、2025年までにリサイクルされた金と銀のみからジュエリーをつくり、事業全体でのカーボンニュートラルを目指すと発表した。

美しいジュエリー素材でありながら、品質を失うことなく永遠にリサイクルできる金と銀を通して、サーキュラーエコノミーを構築するための役割を果たすことを目指す。

現在、世界の銀の供給の約15%はリサイクル資源から来ており、リサイクルされた銀の半分以上は化学製品の製造や電子機器などに金属が使用される産業に由来している。2018年に、テクノロジー企業のDell社と女優のニッキー・リード氏は、不要なパソコンを金のジュエリーにするリサイクルコレクションを共同発表したが、世界中でおよそ2万8千人の従業員を擁し、100カ国で販売を展開するPandora社の今回の発表は、今後のジュエリー業界の大きな一歩となりそうだ。

金属のリサイクルは新しい金属の採掘よりも資源の使用量が少ないため、CO2排出量や水の使用量、およびそのほかの環境への影響が削減される。製品やサービスに対する環境影響評価の手法である「ライフサイクルアセスメント」によると、CO2排出量を削減できる割合は、リサイクルされた銀を調達した場合は3分の2、金においては99%以上になる。すでにPandora社は、ジュエリーに使用する金と銀の71%をリサイクルされた金と銀に置き換えているが、今後100%リサイクルソース確保が達成されれば、より大きな効果が生まれることが期待される。

さらに、Pandora社はサプライヤーと協力し、Responsible Jewellery Council(責任あるジュエリー協議会 )(※1)などの定める、倫理・社会・環境の基準に従って認定されたリサイクル銀の確保を表明している。サプライチェーンの主要関係者と協力し、リサイクルされた銀を入手する可能性を高め、生産基準の改善を模索していく考えだ。

image via Unsplash

長年にわたりジュエリーにリサイクル金属を使用してきたPandora社が、採掘された金と銀の使用を完全に停止する今回の挑戦は、環境に優しく、ジュエリーをよりサステナブルなものにする重要な取り組みとなる。今ある資源を大切にしながら、環境に優しい製品をつくる同社の姿勢を応援したい。

※1 金やダイヤモンドなどのサプライチェーンにおいて社会・倫理・環境責任の範囲を含む規範を定め、「責任ある取引」を推進する国際的な非営利組織

【参照サイト】All Pandora jewellery to be made from recycled silver and gold
【参照サイト】Science Based Targetsイニシアティブ(SBTi)とは
【参照サイト】Responsible Jewellery Council

FacebookTwitter