海洋ごみを服の素材に。エコアルフのサーキュラーファッションとは

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全産業のうち2番目に環境を汚染する産業といわれる(国連貿易開発会議(UNCTAD)より)ファッション業界。今、これを何とか持続可能なものにしようと「サステナビリティ」と「ファッション性」の両立を追求する動きがトレンドになっている。

そのなかでも、すべてのアイテムが再生素材や環境負荷の低い天然素材で作られている、スペイン生まれのファッションブランドECOALF(エコアルフ)は、自ら「サステナブルファッションをリードするブランド」と呼んでいる。いったいどんなブランドなのか。今回、エコアルフを日本で展開する株式会社三陽商会 コーポレート・エコアルフ ビジネス部 エコアルフ企画課長 下川 雅敏さんを取材した。

株式会社三陽商会 コーポレート・エコアルフビジネス部 エコアルフ 企画課長 下川 雅敏 氏

ECOALF(エコアルフ)とは?

エコアルフは、ハビエル・ゴジェネーチェ氏(以下、ハビエルさん)が2009年に立ち上げたスペイン発のサステナブルファッションブランドだ。「真のサステナブルなブランドとは何か」を追求することを目的に誕生した。

「ハビエルが20代の頃、約50店舗を有するファッションブランドを経営し、成功を収めていました。そんななか、彼の子どもであるアルフレッド(会社名の由来となった)が生まれたときに、サステナブルブランド構想が彼の頭の中でひらめきました。それまで、ファッションブランドはシーズンごとに商品を開発し、製造し、使用し、廃棄することをずっと繰り返していましたが、生まれた子どものことまで考えると持続可能ではないと思ったのです。次世代のことを考えて、ファッション領域で何か新しいことをやろうとしてできたのがエコアルフの始まりです」と、下川さんはエコアルフの原点について語る。

エコアルフ創設者 ハビエル・ゴジェネーチェ氏

日本では、2019年9月12日に株式会社三陽商会とEcoalf Recycled Fabrics, S.Lが共同でエコアルフ・ジャパン株式会社を設立、2020年3月13日にアジア初進出となる旗艦店「ECOALF 渋谷」がオープンした。続いて5月30日「ごみゼロの日」に「ECOALF二子玉川」が開店し、現在、日本では2店舗の直営店とオンラインストアが展開されている。

エコアルフのビジョンは、「地球環境を無視した自然資源の活用をしない」ことだ。ミッションは、「リサイクルされていない製品と同等の品質・デザインの製品をつくる」ことで、いわゆるサステビリティとファッション性(デザイン性)の両立を図ろうとするものである。この点について、下川さんに詳しくお聞きした。

「エコアルフの強みは、原材料調達から製造・販売までサプライチェーンのすべての段階において、サステナビリティを意識していることです。商品は、ペットボトルや漁網、タイヤ、コーヒーかす、リサイクルコットン、リサイクルウール、オーガニックコットンなど、すべて再生素材や環境負荷が低いと考える素材を使っています。同時に、これらの素材を外から見ただけではわからないようなファッション性を備えています。ファッション性については、従来のファッションブランドと変わらないことを体現していきたいというのが私たちの思いです。これらの信念をもとに、誰でも手の届くデイリーウェアを中心に商品を展開しています」

また、素材開発にも余念がなく、継続的により持続可能な素材を追求しているという。

日本への進出を手がけた三陽商会にとって、エコアルフの展開は大きな挑戦だということも下川さんはあわせて強調した。

「弊社は、着終わった服を回収して再利用やリサイクルしたり、自社で栽培したオーガニックコットンを活用したりするなど、部分的にサステナビリティに資する活動はしていましたが、今回の事業は初めての包括的な挑戦なのです」

新たな挑戦としてのエコアルフ事業。今回は、インタビューを通じて見えてきた「デザインの重要性」「海洋ごみからできた服」「ブランディング・マーケティング」「店舗は『売る場所』と同時に『生まれる場所』でもある」「ステークホルダーとの協働」の5つの観点でエコアルフを見ていこう。

デザインの重要性

エコアルフは、サステナブルファッションブランドとして要となる、いわゆるサーキュラーデザインに取り組んでいる。ここでいうデザインとは、見た目のデザインとともに素材のデザインのことも指す。

そのキーワードとなるのは、「いかに長く使ってもらうか」ということと「持続可能・循環型原材料の活用」、そして、「いかに素材をシンプルにするか」という3つに分けられる。

いかに長く使ってもらうか

この点は重要な点でありながらも、ビジネスの観点のみで見るとジレンマを抱える点でもある。一方、エコアルフのビジョンは、「地球環境を無視した自然資源の活用をしない」ことである。いかに丈夫で飽きのこないデザインを追求し長期間使える服を作るかが、まずはポイントになるはずだ。この商品の長寿命化と企業の利益との関係性について、下川さんもハビエルさんに問いを投げかけたそうだ。

「製品を長持ちさせることで新しいものが作れなくなるのではないかという問いに対して、ハビエルから『それはそれでいいし素晴らしい』という答えが返ってきました。ただ、『すぐにはそうならないから、今この(サステナビリティの)考えを広めるために、私たちが前に立たないといけない。当然、無理に売ろうとか在庫を抱えたから法外な値段に下げようとする考えもない』と。この返事を聞き、私自身素晴らしい考えだと共感しました」

サーキュラーエコノミー実現に向けて、長く使われるようにデザインすることはすべての戦略に優先されるべきである。そこには利益が減少してしまうかもしれないという課題が出てくるが、経済性を確保できる価格帯で提供しているというのが一つの解になるだろう。顧客に対しては、1回の着用あたりの費用を下げるという観点が重要となる。

「現状低価格の衣服が廃棄されるまでに着用される平均回数は7〜8回といわれています。例えば2000円のTシャツを7回着て廃棄するというのではなく、エコアルフのことを知って買っていただければ、7回で終わることはないでしょう。着用回数で見ると安いと感じてもらえるのではないでしょうか」と、下川さんは話す。 

持続可能・循環型原材料の活用

素材のバリエーション(下の写真は上のデータを加工したもの (ECOALF提供))

製品の長寿命化を可能とするデザインとともに、持続可能で循環型原材料を採用することがサーキュラーファッションの大事なポイントだ。エコアルフは、上記の写真のように、「環境への影響」と「使用の推奨度」の二軸で使われる素材を決定する。さらに、素材のサステナビリティを判断するために、下記6つの指標が採用されている。

  1. エネルギー消費量/CO2排出量
  2. 水の使用量
  3. 土壌の使用量
  4. 化学物質の使用量
  5. 生物多様性との関係
  6. 固形残留物の発生量

まず、利用される再生素材は、ペットボトルからできたポリエステル素材や漁網のナイロン、廃タイヤ、合成樹脂、コーヒーかすとポリマーを混ぜた素材などだ。天然素材については、セルロース繊維、ヘンプなどが使われる。200型のうち半分は再生素材で、残り半分は天然素材というバランスである。コットンについては、「1着のTシャツでも約2,700ℓを使っているといわれています。そのため、通常のコットンをなるべく使わないようにして、リサイクルコットンあるいは、GOTS認証のオーガニックコットンに限定して利用」しているという。

染色過程について

衣類の染色や仕上げ工程に使われる水と化学薬品を含む廃水の問題は、ファッション業界では常に課題となってきた。この点についてもエコアルフでは例外なく向き合い続けてきた。

エコアルフは、ファッションの観点から色を重要視している。しかし、廃水問題に取り組むため、トレーサビリティを確立。さらにネガティブリストをサプライヤーに提示して、クリアした工場とのみ契約している。

染料については、まずはなるべく植物性の染料を使うようにしているという。また、再生コットンやリサイクルウールの再生素材などは、すでに染色されているという理由から積極活用しているそうだ。これらの再生素材を活用するにあたって、重要な色の考え方がある。それは、「色ありきではなく素材ありき」という概念だ。

「よく知られているようにファッション業界では、新アイテムをそのシーズンのトレンドカラーに合わせる慣行があります。エコアルフでは、色ありきではなく素材ありきで考えています。今この素材があるから、結果的にそのような色になったという考えです」と、色を先に考えるのではなく素材を先に考えるということだ。素材を基準に考えると、今後はシーズンごとのトレンドカラーという位置づけが変わる可能性がある。

いかに素材をシンプルにするか

サーキュラーエコノミーへ移行し、ループを閉じる(循環させ続ける)には、再生可能な素材を活用することが重要となる。そのためには、なるべく複合素材よりも単一素材を採用することにも取り組んでいる。すなわち、多くの原材料を一つの商品に混ぜないということだ。

「ポリエステル・ウレタン・レーヨン・ナイロンなどを一着の服に混在させないようにデザインしています。これまでのトレンドは、素材に価値を付加するために、素材を足していくという考えで進めていました。プラスしていくことでいろいろな素材が混ざり、リサイクルができなくなって、捨てて燃やされてしまいます。今後はこのトレンドが見直される流れになるでしょう」と下川さんは話す。

海のごみからできた服

タイでのUPCYCLING THE OCEANSの様子(ECOALF公式HPより)

エコアルフが一番の強みと位置づける「UPCYCLING THE OCEANS」。簡単に言ってしまえば「海洋プラスチックごみからできた服」を作る仕組みだ。正式には、エコアルフとエコアルフファウンデーションが取り組む、漁業の過程で釣り上げる海洋ごみを回収・分別・再生して、服に変えるプロジェクトである。エコアルフは、国連の「持続開発な開発目標」(SDGs)の目標14「海の豊かさを守ろう」に取り組むブランドであり、同プロジェクトはそれが体現された形だ。その仕組みは下記の通りである。

底引き網漁では、魚と一緒に海洋ごみも一緒に引き揚げられる。漁師は廃棄物として捨てるのは費用がかかるので、罪悪感を感じながらも海に戻しているという。そこで、エコアルフが黄色いボックスを船に置き、そのボックスに漁で引き揚げたごみを入れてもらい、エコアルフと契約している分別回収業者が港で引き取るというものだ。

上記は現在、スペインとタイで活動が展開されている。日本での展開について、下川さんは下記のように説明する。

「2021年末をめどに、国内で回収された海洋廃棄ペットボトルを、スペイン・タイ同様のフローで商品化するサーキュラーシステムの構築を目指しています。現在、漁業協同組合や物流業者などの各サプライヤーにアプローチをしたり、さまざまな業者さんからお声がけをいただいたりしていますが、残すところは、(下図の)「④番(廃棄物を素材によって分別)」を実施するステークホルダーとの連携です。④番以外は日本で実現できる環境にあります。海洋ごみからペットボトルを分別して、⑤のリサイクル業者さんにパスをする、という仕組みです。」④で心当たりがあればお問い合わせいただきたいとのことだ。

「UPCYCLING THE OCEANS JAPAN」日本での活動の構想図

日本の漁業協同組合と連携の話をするなかで、スペインと同じ海洋廃棄物の問題を抱えていることがわかったという。「漁協の方からは、(海洋ごみを)持って帰ってもらえるのなら、いくらでも協力すると言っていただけて、大変ありがたいと感じています。日本は特に河川からのごみ漏出が多いので、川をきれいにするNPO団体と協業するのも新しい形だと考えており、このプロジェクトが成り立つように、現在進めているところです」

マーケティング・ブランディングの観点から

旗艦店「ECOALF 渋谷」

ブランディングやマーケティングは事業の継続性の観点から外せない重要なテーマだ。この点について、今回インタビューするなかで見えてきたものがある。それはサステナビリティを追いかけるブランドだからこそできる循環型のブランディング・マーケティングである。

エコアルフは、ハビエルさんを中心とした講師がサステナビリティの考えなどを啓蒙するイベントを年間150回以上実施する。このECOALF 渋谷でも最大50名程度が収容できるイベントスペースがある。衣料店舗でこのようなスペースを見かけることはあまりないだろう。現在の新型コロナの状況では大規模イベントの実施は難しいが、ファッションに限らず、さまざまな業界の方とサステナビリティに関するイベントを実施していきたい構えだ。

啓蒙イベントの様子

ECOALF 渋谷オープン以来のコロナ禍において、エコアルフは継続的にオンラインのライブイベントを実施してきたそうだ。結果、多くの個人の方とつながることができたという。

「新型コロナ危機で、多くのファッションブランドは大量在庫を抱えるなどして悲鳴をあげています。エコアルフはきちんと一人ひとりとつながり、サステナビリティの重要性と、『海からできたシューズ』などのエコアルフが果たしうる役割を発信していけば悲観する必要はないと思います」

ここに一つの解があるのかもしれない。これまでのリニア型システムだと、顧客との関係は「販売する・される」で終わりだが、循環型システムにおいては顧客とのつながりが重要となってくる。なぜなら「販売する・される」という関係以外にも、サステナビリティという共通の軸に集まるコミュニティが作られたり、回収を通じて接点が生まれたりと、つながる場面が増えるからだ。さらに、顧客も含めたステークホルダーとも理念を共有することで、強固なブランドが形成につながるのだろう。

ステークホルダーとの協働

循環型ブランドを作ろうと思えば、再生素材メーカー・回収・リサイクル業者・物流業者など、新しい形の協働が必要だ。これはまさにエコアルフが進めていることである。ここで改めて触れるまでもないが、サーキュラーエコノミーへの移行に必要不可欠なステークホルダーとの協働が大きな特徴といえる。ファッションブランドと漁業協同組合という異例の協働はそれを象徴している。

店舗は『売る場所』と同時に『生まれる場所』でもある

「店舗は『売る場所』と同時に『生まれる場所』」というのは、インタビューのなかで筆者が感じたことだ。店舗は「売る場所」として機能してきた。それが第一義的なことでもあるし、利益を上げるものとして、これは当然だ。一方で、サステナビリティ・サーキュラーエコノミーの文脈では、『生まれる場所』としての要素も強まるのではないだろうか。ECの隆盛や新型コロナ危機を受けてリアル店舗の意義が問われるなか、この傾向がより強まると考える。つながりが生まれたり、服が生まれる原点となる不要な服の回収箱の設置であったり、他業界とのコラボレーションが生まれる場所であったりするだろう。これらを生まれる場所として機能させるには、確固たるブランドのメッセージを出す必要がある。そのメッセージを店舗づくりという点で強く打ち出しているのが、旗艦店であるECOALF 渋谷だ。

ECOALF 渋谷の店舗づくりは、「シェアリングエコロジー」という合言葉、すなわち「自然から借りてきた資源から空間を作る」という考えに則って始まった。デザイン設計は、cinema inc.の坂巻陽平氏。建築現場で使われた木材の再活用、再生の象徴としての「鉄」の利用、メッセージをフロントに打ち出すこと、端材の活用など、工夫が随所に散りばめられている。

店舗には回収されたペットボトルが随所に置かれている

2階につながる階段では、鉄板を利用。鉄は「再生の象徴」というのが導入の理由だという

竹でできたロングラック

革工場の端材から作られた吊るし具

全アイテムに占めるシューズの構成率が高く海洋ごみからできているというメッセージを出すために、フロントにシューズが展開されている。エコアルフの合言葉「Because there is no Planet B」も大きく掲げられている。

サステナビリティに関するイベントを行うイベントスペース。イベント用にアレンジすると、最大50名程度は収容できると見込んでいる。

在庫収納箱がイベント時に椅子にもなるように設計

今後の課題

ここまで、エコアルフのポジティブな側面をお伝えしてきたが、課題も多くあるという。例えば、マイクロプラスチックの課題はやはりついて回る。ハビエルさんは、フリース素材からマイクロプラスチックが大量に出るとわかった時点で、即刻取り扱いをやめたという。エコアルフはブランド創設の早い段階からマイクロプラスチック問題に取り組んでおり、今最も力を入れている分野だ。現在、ポリエステル製の起毛素材でマイクロプラスチックがさらに出にくい素材を開発中だとしている。

他にも、エコアルフ事業の挑戦を三陽商会の社内にもさらに認知してもらうこと、顧客へのエンゲージメントの向上、先述した「④」の分別業者との連携などの課題があるが、こういった現状を公開してオープンに進めているのが特徴だといえる。

楽しんでサステナビリティを追求する

最後に、読者に向けて下川さんにメッセージをいただいた。

「私たちはサステナビリティを追求していますが、ファッションは本来楽しむことが大切だと考えています。エコアルフを知っていただけるのであれば、それをきっかけとして、服はどのように作られ、使われ、廃棄されているのかを知ってもらいたいと思います。ヨーロッパの各地で成功しているブランドなので、エコアルフ・ジャパンではそれをしっかり伝えて広めることが私たちの使命です。同時に、スペインから持ってきたものをただ日本に入れるだけでは難しいと捉えています。『日本ライン』を作って、独自に企画した日本で完結する地産地消型の商品も販売していきたいと考えています。ぜひ応援いただけたら嬉しいです」

サーキュラーエコノミーの視点では

エコアルフをサーキュラーエコノミーのレンズを通して見てみたい。今回、「デザインの重要性」「海洋ごみからできた服」「ブランディング・マーケティング」「店舗は『売る場所』と同時に『生まれる場所』」「サプライチェーンとの協働」の5つの視点で見てきたが、これらそのものが循環型戦略(サーキュラーエコノミー移行に向けた戦略)といえる。

また、下記のエレン・マッカーサー財団が提唱するサーキュラーエコノミーの概念図「バタフライ・ダイアグラム」(解説はこちらより)と照らし合わせると、「循環型原材料」「技術資源と生物資源を混ぜない」「利用素材のシンプル化」「製品の長寿命化」「リサイクル」などがエコアルフの特徴として挙げられる。

エレン・マッカーサー財団「システムダイアグラム(通称 バタフライダイアグラム )

このなかでもやはり特筆すべきは、エコアルフが強みとする「循環型原材料の活用」だろう。素材に海洋廃棄物を使うデザインをすることで、環境も再生する意図をもつことになる。

一方で、海洋プラスチックを原材料として使うときに留意するべき点が3点ある。1点目は、海洋プラスチックのなかには長年海を漂ったものもあり、汚染物質が付着している可能性がある点だ(Plastic Resin Pellets as a Transport Medium for Toxic Chemicals in the Marine Environmentなどの報告より)。この点について、エコアルフは、独自の技術により安全性を担保しているという。2点目は、先述したマイクロプラスチックの問題だ。廃棄物であろうとなかろうと、ポリエステルなどの合成繊維を導入するということは、マイクロプラスチックにも向き合わなければならないということだ。この点については、マイクロプラスチックが大量に発生するフリースなどの製品の取り扱いをやめ、マイクロプラスチックを排出しにくい素材を活用し、新たに開発もしている。最後の3点目は、リサイクルの問題だ。海洋プラスチックからできた商品が寿命に近づいたとき、燃やすのではなく原材料を循環させることでループが閉じていく。すなわち「服から服へ」というサイクルを作るということである。この点もエコアルフ独自にリサイクルシステムを近い将来に向けて開発しているという。

また、今後は日本国内で循環する仕組みづくりを構築し、サプライヤーの選定を含めてより地産地消型を目指すとしている。さらに、中古市場も含めたC to C 事業に取り組む意向を示しており、海洋ごみから採取された素材の高品質化にもアプローチしていくそうだ。

終わりに

UPCYCLING THE OCEANS の活動の様子(タイ)ECOALF 公式ホームページより

ファッション業界が引き起こす環境汚染の問題は深刻だが、下川さんのメッセージにもあったように、おしゃれをしたり楽しんだりするのが、本来のファッションの目的だ。楽しんでクリエイティブに活動を進めていくことが、悲観的に取り組むよりもさらにメインストリーム化して、環境を再生するスピードが加速するのではないだろうか。

また、ファッションの循環化を図る際には、素材やマイクロプラスチックの問題などさまざまな課題が次々とついて回る。その過程をある程度オープンにし、ステークホルダーと一緒に解決していくエコアルフの姿勢が、その本気度を顧客に訴えることにつながっているのだろう。日本での挑戦は始まったばかりだ。エコアルフが日本のファッション業界にどのようにインパクトを与えていくか、その動向に注目される。

【参照】ECOALF公式ウェブサイト
【参照サイト】UN launches drive to highlight environmental cost of staying fashionable
【参照レポート】Style that’s sustainable: A new fast-fashion formula
【参照サイト】The Impact of a Cotton T-Shirt
【参照サイト】エレン・マッカーサー財団「Infographic」
【参照レポート】Plastic Resin Pellets as a Transport Medium for Toxic Chemicals in the Marine Environment
【関連記事】Circular Economy Hub Learning #3 (動画「Dame Ellen MacArthur: food, health and the circular economy」よりバタフライダイアグラムの解説)

※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「Circular Economy Hub」からの転載記事となります。

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