子供たちが「背中で」伝えるスピード違反。カナダの交通安全キャンペーン

Browse By

車を運転する際、なによりも気を付けなくてはいけないのが安全性である。スピードを出しすぎて交通事故が起きないよう、速度制限の標識や、交通整備員の配置などさまざまな対策が行われる中、思わず「はっ」と気付かされるような安全運転啓蒙キャンペーンがカナダのケベック州で行われた。

それが、通学路を歩いている子供たちにリュック型の速度計Live Radars(ライブ・レーダーズ)を背負わせるというものだ。ドライバーが子供を通り過ぎるときに、自分の出している速度がリアルタイムであらわれることで、自分が速度制限を上回っているかどうかが一目でわかる。

カナダの交通安全キャンペーン

キャンペーンの動画では、子供の姿を見て実際にドライバーが思わずスピードを落とすというシーンも見受けられた。標識や、道路に取り付けられた無人の速度計ではなく、実際に交通事故の被害者となりえる子供が「背中で語る」のが、この企画のユニークなところだ。

カナダの交通安全キャンペーン

速度制限を守ることは、路上の弱者を守るために必須のことである。子供以外にも、日本では少子高齢化に伴い、高齢者の交通事故による死亡・負傷が増えている。高齢になると体力が落ち、即座に反応ができなくなる。また認知症を患い、路上で思いもよらない行動をとる場合もある。そんな不測の事態が起きても対応できるように、心の準備をしておきたいものだ。

道行く人々は見知らぬ他人かもしれないが、自分と同じように家族がいて、ストーリーがある。人の体も命も一つしかなく、尊いものだ。交通事故を起こせば、ドライバー自身の体も無事とは言いきれない。違反になって罰金が取られるからスピードを落とすのではなく、尊いものを守るために自ら進んでスピードを落とし、安全運転を心がけたいものだ。

【参照サイト】Radars vivants
【参照サイト】警察庁 令和元年における交通死亡事故の発生状況等について

Edited by Kimika

FacebookTwitter