消費期限が近い食材は、赤に。家庭からの食品ロスを防ぐスマートタグ

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冷蔵庫に入れた食材が傷んでいた経験がある人は、多いのではないだろうか。「そのうち食べよう」と思っていても、忙しい日々の中で忘れてしまうこともしばしばだ。米国農務省(USDA)によると、家庭の食品ロスを減らすことで、一人当たり年間約370ドル(約4万円)も節約できるという。(※1)食料資源を無駄にするだけでなく、金銭的なロスも発生する、家庭からの食品ロスを防ぐアイデアはないだろうか。

アメリカのスタートアップ企業「Tugiba」は、冷蔵庫を開けたときに消費期限が近い食材が一目でわかるスマートタグ「Nudge Tag」を開発した。Nudge Tagに含まれる装置は、冷蔵庫の扉に取り付ける「パック」と、個々の食材に取り付ける「タグ」だ。

使い方は、まずパックで食材を使い切るまでの日数を設定し、その情報をタグに送る。すると、冷蔵庫を開けるたびに、タグが食材の消費期限の近さに応じて緑色、黄色、赤色に点灯する。緑色が最も期限に余裕があり、赤色は最も期限が迫っていることを意味するので、どの食材を優先的に消費すればいいか、一目で判断がしやすい。

消費期限の近さを確認できるのは、冷蔵庫を開けたときだけではない。Nudge Tag専用のアプリでは、食材の期限の近さが一覧で表示されるため、外出先でも冷蔵庫内の状況が確認できる。アプリには、期限が迫っている食材を知らせる通知機能も付いているので安心だ。

さらに、このアプリに必要な情報を入力すれば、Nudge Tagを使うことで節約できた金額を推計してくれる。希望する人は、この節約した金額をアプリ経由で寄付することが可能だ。先進国で余った食材が捨てられる一方で、途上国を中心に食事に困っている人が大勢いる、今の世界。自分が食材を無駄なく使うことで、誰かの助けになれるのは、嬉しいことではないだろうか。

Tugibaは2021年12月現在、クラウドファンディングサイトで、この製品のための資金調達を行っている。その後製品の生産を始め、来年の7月頃に製品を発送する予定だという。気温が高くて食材が傷みやすい季節に、Nudge Tagがあると助かりそうだ。

※1 Why should we care about food waste? | USDA
【参照サイト】 The Nudge Tag

Edited by Erika Tomiyama

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