「ウクライナの人は無料で乗れます」欧州各国の交通機関が決断へ

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ロシアによるウクライナ侵攻が始まって、数週間が経とうとしている。

ウクライナからEUに入る避難民の数は、今後数週間で100万人以上に達すると予想される。国外へ避難するウクライナ国民を大規模に受け入れるためには、交通手段が必須だ。この非常事態の中で、イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶユーロスターや、欧州の他の航空・鉄道会社は、ウクライナ人が身分証明書を提示すれば無料チケットを提供すると発表した。

ドイツ、オーストリア、チェコ、スロバキア、ハンガリー、フランス、ベルギー、デンマークの国でも同様の措置を行っている。SNSでは、実際に無料チケットを支給された人々の投稿も見られる。

今回の決定を広める役割は各国の公式SNSアカウントが大部分を担っている。オーストリアのレオノーラ・ゲウスラー運輸大臣も、Twitterで「ウクライナから避難してきた人々はオーストリア国内の鉄道を無料で使用できる。今の状況は、お役所的な対応ではなく、命を助けるための行動をとるべきときだ」とドイツ語のほか、英語とウクライナ語で無料乗車の決定をツイートした

また、ドイツの国有鉄道会社であるドイツ鉄道は、2月27日に発表された声明の中でポーランドからベルリンに向かう列車について、現在運行している8本以上に、ポーランドからドイツへの移動を行いたいウクライナ難民の需要に応じて列車を増やす用意があると述べている。

英仏海峡を結ぶユーロスターも、イギリス入国の有効なビザを持ち、ウクライナのパスポートを持つ人は各停車駅のユーロスターのスタッフに声をかければ、無料のチケットを発行すると発表した。ただしイギリス政府はEU諸国と比べてビザの申請に制限をかけている状態だという。

このままロシアの侵攻が続けば、ウクライナ国民のおよそ数百万人が避難すると予想されている。すでに数十万人がほかの国にいる家族の元に向かうか、身寄りもないまま、安全を求めるために移動している。

人数の枠は少ないものの、日本への難民申請も受け入れが始まり、ビザ申請簡略化等の手続きに入った。悲惨な状況の中避難しているウクライナ人たちを支援できるよう、IDEAS FOR GOODでも募金や寄付活動に関する記事を公開している。そちらもご覧になり、支援活動の参考にしていただきたい。

【参照サイト】Eurostar to let Ukrainian refugees travel to Britain for free on its trains
【参照サイト】EU rail companies offer fleeing Ukrainians free travel
【参照サイト】Austria announces free public transport for people fleeing Ukraine
【参照サイト】ウクライナ避難民受け入れ開始 8人入国、支援態勢づくり加速
Edited by Megumi

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