エレン・マッカーサー財団、「ネイチャー・ポジティブ」な食品をスーパーに導入へ

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英国のサーキュラーエコノミー推進機関・エレン・マッカーサー財団は、2022年から2年以内にスーパーマーケットでネイチャー・ポジティブ」な食品を買えるようにすることを目的としたプロジェクトを立ち上げた。

財団は同プロジェクトで、著名な食品ブランドや小売業者と協力して、食品の設計・栽培・販売方法の再構築を行うことを目指すという。

ネイチャー・ポジティブとは、生物多様性の毀損に歯止めをかけ、自然をプラスに増やしていくことを意味する。つまりネイチャー・ポジティブな食品とは、生物多様性や自然の保全に配慮された食品のことだ。その商品を買うことで、生物多様性や自然がより豊かになる──そんな商品ばかりがスーパーの棚に並ぶような世界観を、エレン・マッカーサー財団は作ろうとしている。

スーパー

そのためには、食品メーカーと小売業者がサーキュラーエコノミーの原則を用いて食品の設計を行うことが必要になる。製品のコンセプト設計から材料の選択と調達、パッケージングに至るまで、食品設計のすべての側面にサーキュラーエコノミーの原則を適用する――つまり、サーキュラーデザインを行うのだ。

そうした食品のサーキュラーデザインを加速させるために食品メーカーや小売業者が取るべき具体的なアクションとして、エレン・マッカーサー財団は公式ページ掲載の記事で次の4つを挙げた。

1. 野心的かつ実現可能な目標を立て、製品のポートフォリオを再設計する
ネイチャー・ポジティブに取り組むための明確な目標を立てたうえで、サーキュラーデザインの考え方――「多様であること」「低負荷であること」「アップサイクルされていること」「再生可能な原料を使用していること」などを組み合わせた製品開発戦略を導入し、原料のポートフォリオを変革する。

2. 農家との新たな協力体制を構築する
農家と強力な協力関係を形成し、食品の設計を農家と二人三脚で行うことで、農業システムの進化を逐一戦略に組み込むなど、現場の変化や意見を取り入れた食品設計を行う。

3. 食品×サーキュラーデザインの象徴的な新製品を開発する
既にある主力製品を刷新するのには時間がかかるため、なるべく早くスタートダッシュを切るためには、新製品を開発するのが望ましい。また、そうした新製品の開発に踏み切ることで、企業はデザイナーにサーキュラーデザインに関する実験と学習の機会を与えることができる。

4. 農場で用いる新たな測定基準を開発し、使用する
生産が農場の現場に与える影響を測定する、環境再生型の生産として適格なものを評価する、会社の目標に対する進捗を可視化する、利害関係者と顧客に製品の利点を伝える、などのための新しい測定基準を定め、活用する。

財団が挙げた上記のようなアクションは、一般消費者である私たちには少し遠いものに感じられるかもしれない。

しかし、食品メーカーや小売業者をそうしたアクションに踏み切らせる力は、他でもない私たち消費者が持っているのだということも、忘れずにいたい。企業は消費者の動向を踏まえて商品の開発を行うため、消費者の行動が変われば、それが商品開発にも大きな影響を与えるからだ。

こうしたニュースを一つのきっかけにして、エレン・マッカーサー財団のような組織に任せきりにするのではなく、一人ひとりが共に「ネイチャー・ポジティブな食」を実現する一員なのだという意識で、日々の消費行動をしていきたい。

【参照サイト】Ellen MacArthur Foundation receives £1.25 million Dream Fund award
【参照サイト】Five actions for companies to make nature-positive food mainstream
【参照サイト】Making nature-positive food the norm
【関連記事】ネイチャー・ポジティブとは・意味
Edited by Kimika

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