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サーキュラーデザインとは・意味

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サーキュラーデザインとは?

サーキュラーエコノミーを目指すうえで大切な、製品やサービスのデザイン(仕組みの設計を含む)のこと。3R(リユース・リデュース・リサイクル)では、廃棄物の発生抑制または廃棄物からリサイクルするという視点に立っているが、サーキュラーエコノミーはそもそも廃棄物という概念をなくすことを目標としている。そのため、廃棄物が発生しないようなデザインに加え、製品が利用を終えたのちにどのような用途で使われるかをあらかじめ決めておくことが求められる。

サーキュラーデザイン、主な6つの戦略

以下は、エレン・マッカーサー財団をはじめ、サーキュラーエコノミー推進機関が提唱するサーキュラーデザインの主な6つの戦略だ。それぞれの戦略は互いに相関関係にあり、いずれか一つに取り組めば良いというわけではない。「廃棄物という概念をなくすような製品・サービスづくり」をすることを念頭に置き、6つの戦略を網羅的に実践していくことが大切になる。

1. 製品の長寿命化
製品の長寿命化は、製品を耐久性のあるものにし、修理しやすいようにデザインをする戦略。長く使えるようにすること、そして利用者のニーズの変化が起こることを想定し、修理やアップグレードを容易にしておくことが求められる。その意味で、日本の「金継ぎ」は、陶器を修復することでより美しい見た目になる「製品の長寿命化」の好事例だ。製品の長寿命化戦略は、後ほど述べるモジュール化にも深く関わっている。

・廃棄物からできた子ども用の靴で、解体・再利用・リサイクルができるように設計「Shoey Shoes」
・廃棄プラスチックからできたスピーカー「Gomi Speaker」 など

2. 製品からサービスへ
製品のサービス化は、「製品を所有する」ことから「製品を利用する」ことへの転換を図る戦略。生産者やメーカーにとっては、製品の所有権を消費者に移行させるのではなく、そのまま生産者やメーカーが保有することになる。そのため、製品の寿命をいかに長くすることができるか、いかにアップグレードを容易にできるか、いかに修理をしやすくするかが、生産者やメーカーの経済的インセンティブとなる。

・月額制のジーンズ「MUD Jeans」
・家具のサブスクリプション「yes
・サブスクリプション型ヘッドホン「GERRARD STREET」 など

3. 循環型原材料の利用
循環型原材料の利用とは、利用が終わったあとに再生ができる素材を活用することや、再生するためになるべく含有する原材料をシンプルにすること。環境ホルモンが漏出するような有害物質を製品に使わないということもこれに含まれる。

・何度も水平リサイクルができる素材の活用(アルミニウムのCan to Canリサイクル、都市鉱山からのリサイクル、服から服へ)
・再生可能な原材料の活用(再生できる木材、再生可能なペットボトル、再生できるシンプルな素材からできた服など)

4. 脱物質化
脱物質化は、デジタル技術の発展に伴い、製品の利用価値だけを残し、モノとしての製品自体をなくすことで、環境負荷の低減を図ること。例えば、FAXからメールへの移行はFAXという機械やインク、紙の利用をなくすといった例からもわかるように、デジタル技術は脱物質化を図るうえで必要不可欠なものである。

しかし、2025年の世界のICTを稼働させる電力は、世界の電気の約20%を使用するとの予測もあり、一方での環境負荷の低減は他方での環境負荷の増大を招いてしまう可能性もあるため、このようなリスクも考慮し、全体を俯瞰することが求められる。2.の「製品からサービスへ」にも近い戦略だ。

・NetflixやSpotifyなどの配信サービス
・電子書籍
・リフィルストア
・容器の再利用事業Loop

5. モジュール化
モジュール化とは、修理・リファービッシュ・アップグレードしやすくするデザイン手法のことで、よく引き合いに出されるのが、Fairphoneというオランダ発のスマートフォンだ。Fairphoneは修理やアップグレードが容易なスマートフォンで、最新機種のFairphone3は、電池交換などにより、少なく見積もって5年以上の利用を想定しているという。

実際にEUなどでは「修理する権利」が確立されつつあり、修理するための製品の情報公開、交換部品の入手性の向上、交換しやすい本体の製造などが進んでいくと考えられている。

Fairphone
・修理や交換、更新が可能なスウェーデン発のTRANSPARENT SPEAKER

6. 生物資源化
製品を生物資源にすることで、生分解が可能あるいはCO2排出が実質削減できるなどのメリットがある。日本でも話題となっているレジ袋などにプラスチックの生分解性を持たせること(バイオマス配合を高めることや紙にするなど)もこの方法に該当する。その際に、生態系を壊さずに短期間で土に還ることや、生物資源に置き換えることで他方面で影響を与えないか(熱帯雨林の伐採)などに留意する必要がある。

紙ストロー、バイオマスプラスチック、竹歯ブラシ、木造ビルなど

「安全で循環する素材を選ぶ・製品寿命を長くする・モジュール化する・非物質化する・製品からサービスへ・資源を「内側の円」に留めるデザイン」の6つの戦略以外にも多くのサーキュラーデザイン戦略が存在する。総合的にサーキュラー型になるようにデザインをすることで、循環が閉じていくようになる。

ごみを資源と捉え、ゆりかご(=地球)にもどし、完全に循環するかたちにしようとする「Cradle to Cradle(ゆりかごからゆりかごへ)」の考え方を実践していくためにサーキュラーなデザインが今、求められている。

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