なぜ、最近の中国の若者は寺に泊まるのか

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働く人の42%が燃え尽き症候群に陥っている(※1)。そんな調査結果がある今日この頃。中国では近年、仕事に疲れた若者の間で、寺に泊まることが人気を博しているという。

同国メディアのチャイナ・デイリーによると、若者はお寺で禅を体験したり、ボランティアとして掃除や食事の準備をしたりして過ごす。その体験がSNSなどで共有され、人気が広がっているそうだ。

たとえば、北京で暮らす28歳のリュウ・ビンジエ氏は、仕事でプレッシャーを抱えるなか、お寺でのボランティアに憧れていた。ある日、転んでまぶたを縫う怪我をしたことがきっかけとなり、休みを取ってお寺に宿泊。普段は信心深いわけではないが、お寺にいる人々の優しさに触れることができて良かったという。

28歳の旅ブロガーであるタン・チー氏は、遅寝遅起きの習慣を変えたくて、5日間のプログラムに参加。お寺では朝6時前に起き、きちんと朝食を食べ、掃除をしたりお経を学んだりして過ごした。この体験をSNSで共有すると、多くのフォロワーが興味を持ったという。

オンライン旅行会社のTrip.comグループによると、お寺が見どころである観光地に訪れる人の約50%は、1990年以降に生まれている。また、常に予約でいっぱいのお寺によると、プログラムの参加者の約80%は20~30代だという。

若者の注目を集める背景として、人々がオンラインで動画を共有するようになり、「お寺は謎に包まれている」という印象が薄まったことが挙げられている。また、多くの若者が内なる平和を求めているとも考えられる。

日本でも、お寺や仏教は身近な存在だ。成仏、無我、無常、中道、縁起といった言葉を聞いたことがある人は多いだろう。あらためて、こういった教えに触れてみても良さそうだ。

※1 Future Forum Pulse Winter Snapshot – Future Forum
【参照サイト】Serene temples offer welcome respite from city life – Chinadaily.com.cn
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