サウジアラビアの首都に突然現れた「巨大新聞」の正体

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サウジアラビアで有名なスポーツ新聞社Ariyadiyahが、世界健康デーに行ったキャンペーンが秀逸だ。世界初の「座って読めない」新聞を作ってしまったのである。

Global Obesity Observatoryが発表したレポートによると、サウジアラビアは世界で最も肥満率が高い国の一つだという(※1)。同国では人口の4分の1が肥満とされているだけでなく、肥満に関連する疾病が主要な死因の一つであり、年間約2万人が死亡していることが明らかになっている。

Ariyadiyahは、サウジアラビアでは自分がスポーツをするという人よりも、スポーツ新聞を読んで満足する人が多いことに着目。キャンペーンでは新聞を印刷する代わりに、新聞デザインのスポーツコートを印刷して人々がその上で運動できるようにしたのだ。首都リヤドの10カ所が、本物のサッカーやバスケットボールのコートに生まれ変わったのだ。同社はこれを、世界初の「プレイアブルな(体を動かせる)」新聞だと自負している。

Twitterでは、キャンペーン動画が投稿されてから瞬く間に25万回以上の再生回数を記録した。革新性と創造性が掛け合わされ、人々の心を鷲掴みにしたに違いない。

街中にコートを作ることは、単に肥満予防として体を動かす場所やきっかけができただけでなく、複数人でプレーすることで街のコミュニティを形成するのにも役立ちそうだ。

ダイエットに限らず、何かを始めたり継続したりすることにはモチベーションや環境が大切だ。新聞でコートを作るという、斬新でワクワクするアイデアで人々の行動を変えるきっかけになった同キャンペーン。私たちが何か始めるときも、ポジティブな気持ちを持つことが必要なのではないかと考えさせる。

※1 Global Obesity Observatory – Saudi Arabia
【参照サイト】Ads of the World – Newspaper Courts
【参照サイト】SRMG Labs

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