消えてしまった「古代言語」をAIで蘇らせるYouTubeチャンネル

2023.11.06

新しい言語を学ぶとき、おそらく多くの人はどこかの段階で、リスニング教材やレッスン動画などを通し、ネイティブスピーカーが話す音声に触れるのではないだろうか。しかし、古代ギリシャ語など「今はもう話されていない言語」を学ぶとき、この手段は通用しない。

また、古語の学習者でない人にとっては、古代ギリシャ語もラテン語も、自分から遠いもので、まったく馴染みのないものなのではないだろうか。

そんななか、AIの力を使って古代の言語を再現し、現代に蘇らせる試みをしているのが、「Equator AI」というYouTubeチャンネルだ。

動画のなかには、様々な時代の衣装を着た人物が登場する。AIで再現された人物が話す姿はとてもリアルで、まるで、現代にタイムスリップしてきた人がこちらに語りかけているかのようだ。

動画では、ラテン語、古代ギリシャ語、古英語、アッカド語、シュメール語、古代エジプト語、フェニキア語、エトルリア語といった言語が紹介されている。

コメント欄を見ていると、語学を学んでいる人だけでなく、純粋に娯楽としてこの動画を楽しんでいる人もいるように見受けられる。

また、下記の動画には、短いパートだが古代の日本語の発音も登場する(筆者が聞いてみたところ、現代の日本語とはだいぶ異なっており、理解することが難しかった)。

▽古代日本語のパートは2:27あたりから▽

Equator AIチャンネルの概要欄には、下記のような言葉が載せられている。

歴史とは、学術的な研究だけでなく、建築や風景、そして人々の顔を通じても感じられます。歴史を築いた人々やその一部となった人々、さらには芸術家の想像の中にしか存在しなかった人々まで、それぞれが歴史の一ページを形作っています。

“Equator AI” チャンネルは、人類の過去を保存し、蘇らせ、現代の人々にとってより身近でわかりやすいものにしようと努力しています。(一部抜粋)

人々のアイデンティティの一部であり、文化を形成するうえでも大切な要素となる言語。

AIがどこまで正確な再現をすることができるのか、それがきちんと歴史と合致しているのか、そういった懸念はあれど、単に教科書に書かれた文字面としての言葉を知るだけでなく、音として、映像として言葉を感じることは、私たちの学びにインスピレーションを与えてくれる。

古代言語を学んでいる人もそうでない人も、「自分の国ではこうした言葉が交わされていたのだろうか」「反対に過去の人々が現代の言葉を聞いたらどう思うのだろうか」そんなふうに想像を膨らませながら動画を見て、しばしの間タイムスリップの旅を楽しんでみてはいかがだろうか?

【参照サイト】Equator AI(YouTube)

この記事を書いたライター

大学ではメディア文化を専攻し、政治、広告からおもちゃ、ファッションまで幅広い題材を通して意味の形成過程やモノの見方について学ぶ。入社後は、IDEAS FOR GOODでの編集・ライティングに従事し、発達障害やうつの方のためのビジネススクール「キズキビジネスカレッジ」との共同ライティングプログラムの立ち上げにも携わる。そのほか、企業のオウンドメディア運営支援や展示企画などを担当。関心テーマは多様性、とくにニューロダイバーシティ。ハッとする言葉や考え方との出逢いは、人をしなやかに変えてくれると信じており、新しいアイデアや発想の仕方、それを届ける多様な表現に触れるのが好き。目標は、言葉の力で、誰かの心を「紙1枚分」軽くすること。