【2024年3月】無料ランドリー・デーが、ホームレス状態の人々の明日を変える。グッドニュース5選

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社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ、今月の「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、EUの風力発電量が天然ガスを超えたことや、本好きの少年による高齢者への読み聞かせなどを紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01. 米国・オースティンのNPOがホームレス状態の人々のための無料ランドリーデーを設定

朝、パジャマから外出用の服に着替えるとき、洗濯を終えてきれいになった服に袖を通す。こうして身体を清潔に保てることは、私たちに尊厳を与えてくれるだろう。だが、そんな「当たり前」な日常へのアクセスが難しい人もいる。ホームレス状態にある人々にとっては、毎日のように服や布団を洗濯することは容易でないのだ。

米国・オースティンでは、この現状に対して非営利組織・Maximizing Hopeが働きかけ、毎週月曜の2時間、ホームレス状態にある人々にコインランドリーを利用する機会を提供している。2023年5月頃から開催されている取り組みで、ただ洗濯ができる時間を提供するだけでなく、同時にケースワーカーが、誰がどんな助けを必要としているかを把握する場にもなっているという。服も気持ちも新たに、一歩進むための後押しとなる取り組みだ。

【参照サイト】How Maximizing Hope’s laundry events play key role in ending the homelessness cycle in Austin

02. 正教会で初、ギリシャが同性婚を認める法案を可決

日本では2024年3月現在、同性婚が法律では認められていない。都道府県単位では同性婚を認める動きがあり、パートナーシップ制度を設けている地域も存在するものの、全国的なレベルでは大きな進展は見られていない。一方、世界では宗教の壁を乗り越えて同性婚が認められる動きも出てきた。

2024年2月15日、ギリシャ議会において、同性婚や同姓カップルが養子縁組を迎え入れることを認める法案が可決されたのだ。キリスト教正教会の信者が大多数を占める国では、初めての事例だという。これまでギリシャ正教会が強く反対を示してきた中、大きな前進と言えるだろう。法律を変えることは簡単ではない。しかし、決して不可能ではないのだと、大きな壁を乗り越えた事例から感じることができる。

【参照サイト】ギリシャ、同性婚を合法化 正教会の国で初

03.世界初。木だけを原料として、3Dプリンターで木製品を作ることに成功

最近さまざまなところで見聞きするようになった、3Dプリンター。大学などで使ったことがある人も増えているのではないだろうか。その素材といえば、何を思い浮かべるだろうか。プラスチック製の樹脂のようなものを想像するかもしれないが、実はそれだけではないようだ。

米国・ライス大学の研究チームは、木材だけを原料として、純粋な木製品を作ることに成功した。これまでにも木材を原料の一部として取り入れたり、木製品に近いものを作ったりした事例は存在したが、木材のみから完全な木製品を作ったのは世界初だという。これにより、ほかに用途がなく燃焼用に回される木材を有効活用し、過剰な森林伐採を減らせる可能性が高まる。今までに見たことがない形の木製品を目にする日は、近いかもしれない。

【参照サイト】In a world-first, wooden items get 3D-printed out of wood-only ingredients

04. 「シャーシャー猫の譲渡会」で猫18匹の譲渡先が決まる

かつて、ペットを迎え入れる際には、ペットショップで買うことが主流であった。今では、保護犬や保護猫の受け入れも選択肢として全国的に広がりつつある。とはいえ、皆が欲しがるのは可愛らしい子犬や子猫。攻撃的な性格であったり、少し歳を取ったりした犬猫はなかなか受け入れ先が見つからないことも多い。

そんな中、保護猫カフェ「ねこかつ」が主催したのが「シャーシャー猫の譲渡会」だ。人馴れしておらず威嚇してしまう猫だけを対象として、2024年2月に都内で開催された。1〜6歳ほどのシャーシャー猫たち44匹が参加し、18匹の譲渡先が決まったという。主に猫の飼育経験がある人が受け入れてくれたようだ。主催者にとっても、予想以上のご縁があったという。

人に慣れていないが故に威嚇してしまう猫たちも、「シャーシャー猫」と名付けるとなんだか愛しく感じてくる。私たちの捉え方次第で、救える命があるのだと気付かされた。

【参照サイト】朗報!「シャーシャー猫の譲渡会」で猫18匹の譲渡先が決まる!

05. オーストラリア、上司からの連絡を勤務外なら無視できる法律を制定

コロナ禍を経て、リモートワークも普及した現在。パソコンひとつで仕事ができるのは便利である一方、スマホやパソコンを持っている限りいつでもどこでも連絡がつくようになってしまった。私たちは、常に「仕事モード」から逃れられないのだろうか。

オーストラリアが、この状態に待ったをかけたようだ。同国議会では、2024年2月に勤務時間外の連絡を無視しても不当な扱いを受けないよう法律が定められた。労働者の「連絡遮断権」と表現される。8月から施行されるとのこと。これにより、仕事とプライベートをはっきりと分けて過ごせる人が増えるだろう。日本でも法律化してほしいという声が聞こえてきそうだ。

【参照サイト】勤務時間外の連絡無視OK、オーストラリアで法制化

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