【2024年2月】EUの風力発電量が、天然ガスを超える。グッドニュース5選

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社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ、今月の「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、ラッコと昆布の意外な関係や、うつ防止のための挨拶プロジェクトなどを紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01. 父親がいない子どもに、“父親から教わりたかった”How toを教えるYouTubeチャンネル

最初に、話題を集めているYouTubeチャンネル「Dad, how do I?(お父さん、どうすればいいの?)」をご紹介したい。

このチャンネルを立ち上げたのは、14歳の時に父親に見捨てられたという実体験を持つ、Rob Kenney(ロブ・ケニー)氏。動画では、彼自身が大人になった今、“父親に教わりたかった”技術や知識を紹介している。「どうやってネクタイを結ぶ?」「どうやってヒゲを剃る?」「どうやってタイヤを替える?」などを教えていて、フォロワーは479万人に上る。ネガティブに語られることも増えたSNSだが、このように国を超えた支え合いも生まれているのだ。

 

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【参照サイト】Dad, how do I?

02. 本好きの少年による読み聞かせが、高齢者の楽しみに

高齢化社会は、日本などの先進国に限った課題ではない。実は、開発途上国においても今後高齢化が進むことが予想されている(※)。世界共通の課題となりつつある高齢化社会。高齢者を支えるシステムを維持しながら、各世代の個人はどのような幸せや楽しみを見出せるのだろうか。

イギリス・ウェールズの都市レクサムに住む5歳の本好きな少年、ハリー。彼は、学校が終わるとケア施設を訪れ、お気に入りの本を施設居住者に読み聞かせしている。本が大好きなハリーの様子を見て、ケア施設で働く母親が思いついたアイデアだったという。彼が施設に遊びに来るのを、多くの居住者が楽しみにしているのだそう。こんな穏やかなコミュニケーションを、高齢化社会において紡いでいけたら素敵だ。

第1章 高齢化の状況(第1節 2)|内閣府
【参照サイト】Wrexham: Book-loving boy reads to care home residents

03. 史上初。2023年EUにおける風力による発電量が、天然ガスによる発電量を超える

脱炭素の推進は、今やどの先進国にも共通する課題になりつつある。先陣を切って声をあげ、さまざまなイニシアチブを主導してきたイメージの強いヨーロッパだが、実際のところどうなのかと懐疑的な意見もあるかもしれない。

そんな疑問を解消するデータが公表された。エネルギーシンクタンク・Emberが2024年2月7日に公開したEuropean Electricity Review 2024によると、2023年、EUにおける風力による発電量が、天然ガスによる発電量を史上初めて上回った。それ以外にも改善の傾向が見られ、石炭由来の発電量はEU全体の発電量のうち12%を占め、これは2022年から26%減少した数値だという。実際に数値が下がりつつあるグラフを目にすると、脱炭素化に向けて希望が感じられる。

【参照サイト】European wind generates more electricity than gas for first year
【参照サイト】Record fall in UK and EU power sector emissions in 2023

04.チャリティーフライトに挑戦した102歳のワイルドすぎる飛行士

元イギリス空軍の飛行士であるJack Hemmings氏が、なんと102歳にして自ら戦闘機を操縦し、20分にわたるフライトを行った。これはJack氏自身が80年前に共同で立ち上げたチャリティー企画であり、2024年2月5日、最高齢と推定される飛行士として寄付を募るために飛行に挑戦したのだ。この企画へのドネーションは、人道支援のために航空サービスを提供する非営利組織「Mission Aviation Fellowship(ミッション・アヴィエーション・フェローシップ)」に寄付されるそう。

Jack氏は「absolutely delightful(本当に楽しかった)」「very bumpy(すごくガタガタだった)」と、AP通信に語った。高齢者になったら、動けない。そんな思い込みを爽快に取り払ってくれる出来事だ。

【参照サイト】102-year-old British veteran flies a Spitfire on a delightfully bumpy ride for charity

05.診察中に「犬」が膝の上に乗って不安な患者をサポートする歯科医院

歯医者に行くのが苦痛な人は多い。子どもが歯医者の前で泣き叫ぶ様子も想像できるが、大人になってもやはり歯医者が苦手だという人は少なくないだろう。歯の健康のために行くべきとわかっていても、あの機械音にはなかなか慣れないものだ。

アメリカ・ミネソタ州の都市ミネアポリスにある歯医者では、そんな患者に向けてユニークな解決方法を見出した。診察を受けている間、ゴールデンプードルのオリーが膝の上に乗っていてくれるのだ。歯科衛生士である飼い主が、オリーがいることで不安を抱える患者の安心に繋がるのではないかと思い、連れて来るようになったという。こんな歯科医院が増えたら、より多くの人が歯医者に行くのを後押ししてくれるかもしれない。

【参照サイト】A dog on your lap at the dentist? ‘Yes, please.’

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