早いもので今年も11月となり、サンクスギビングデーやクリスマス、年末年始のセールなど、ショッピング好きの女性にとっては楽しい時期がやってきた。
「ショッピングをするだけで社会貢献になる。」これまでにもこのようなコンセプトで作られたECサイトは数多くあるが、今回は「女性の起業家支援」にフォーカスしたユニークなコーズマーケティングの事例をご紹介する。
女性の起業を支援するWomen’s Entrepreneurship Dayの創設者、Wendy Diamond氏が11月末にオープンするのは、ショッピングするだけで女性の起業家を支援できるというウェブサイト”ChooseWomen.org“だ。そして、この「女性起業家」には2つの意味がある。
新たに開設された同サイトでは、ユーザーはブランド名や地域、商品カテゴリなどを基にして、地元の女性が経営する企業の商品や小売業者を探すことができる。そしてこのサイト経由で商品を購入すると、売上の1%が貧困地域に暮らす女性が起業するための少額ローンの原資として送られるという仕組みだ。
サイト内に書かれた”You shop, she thrives!”というキャッチコピーの通り、ユーザーはこのChooseWomen.org経由で商品を買うだけで、自分の欲しい商品が手に入るだけではなく、地元の女性が経営する企業も支援でき、さらには資金を必要としている未来の女性起業家の支援もできるのだ。まさにショッピングを軸としたハッピートライアングルが生まれる仕組みとなっている。
また、参画する企業にとっても、自社が大事にしたいブランドの価値観を伝えられるだけではなく、商品の販促強化にもつながるよい機会だ。ChooseWomen.orgにはこれまでのところコーチやシンシア・ローリー、ナスティ・ギャル、ASOSなど70以上の有名ブランドやローカルの小売業者が参加している。
現在、世界では、1130万人の女性が事業を行い、年間1.6兆米ドルの売上を生み出し、約900万人の従業員の雇用を生み出しているという。
なぜ女性の起業家を支援することは大事なのか。Diamond氏のコメントにそのヒントがある。同氏がトムソン・ロイター財団に語ったところによると、「私は、これらの女性が獲得したお金の90%が子どもたちの教育や家族全体のために利用され、コミュニティ全体の改善につながることを直接見てきた」という。
女性たちが事業を通じて稼いだお金は教育や家族への配分を通じてコミュニティに還元され、めぐりめぐって社会全体の生活向上につながるのだ。
ステークホルダー全員がハッピーになるユニークなコーズマーケティングの事例だと言える。このショッピング体験を通じて一人でも多くの女性がマイクロ融資を受け、新たな事業を成功させて次の参画ブランドになることを期待したい。
【参照サイト】ChooseWomen.org