未来の移動や輸送というと自動運転やドローンが思い浮かぶ。夢があり、私たちの生活を便利にしてくれる発明だが、人はいつも車に乗っているわけではないし、いつも配達で荷物を運んでもらっているわけでもない。はるか昔から続いてきた、歩く、走るといった移動手段はまだまだ健在だ。イタリアPiaggioグループの子会社Piaggio Fast Forwardは、人の足を使った移動をより快適にする小型ロボットGitaを発明した。
Gitaはコロコロと転がって進み、人の後ろを自動的に付いてくる。人と歩道を共有し、搭載されたカメラで障害物を避けることもできる。高さは26インチで40ポンドまでの荷物を積むことができ、連続して8時間程度動く。1時間あたり最長22マイル進むので、歩行だけではなく自転車に乗りながらでも使うことができる。
道を記憶する機能がついているので、例えば自宅から荷物を届けてもらってGitaだけで帰ってもらう、ということも可能だ。セキュリティ面でも万全を尽くしている。Gitaは指紋認証で開くようになっており、カメラが付いているので窃盗のリスクも低い。安心して屋外に停めておけるという。
Gitaはまだ販売はされていない。今年はパイロット版を試験的に導入し、より本格的な始動は2018年からという計画だ。一般消費者の手に渡るにはまだしばらく歳月がかかるだろう。
「私たちはAmazon やUber に対抗するつもりはありません」とPiaggio Fast ForwardのCOOを務めるSasha Hoffmanは言う。あくまでも主流の移動手段や輸送手段は別にあり、Gitaはその他の小型移動機器のうちの一つ、という位置づけを想定している。
Piaggioと言えばかつて、スクーターの原点と言われるVespaを開発した企業でもある。決してメジャーではないが、人々の移動に寄りそう製品を開発するというPiaggio社の精神は今も生き続けている。
【参照サイト】Gita – Piaggio Fast Forward
(※画像:Piaggio Fast Forwardより引用)