ビルごと風車に。サステナビリティ先進国オランダの新アイコン「Windwheel」

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オランダと言えば風車が有名だが、昔ながらのレトロな風車は一部の観光地などを除いてほとんど残っていないのが現状だ。あの風車には実は住むことも可能だが、風向きに合わせて帆を張ったり回し続けたりするのは大変で、滞在するのも楽ではない。

風車も今では風力タービンへと姿が変わり、国土の少ないオランダは洋上風力発電に力を入れることで、欧州でもトップクラスの再生エネルギー先進国となっている。

そんなオランダの新たなシンボルとなるユニークなプロジェクトが、港町ロッテルダムで進行中だ。Windwheel Corporationが打ち出したのは、風力タービンそのものを住居やホテルも含んだ商業ビルにしてしまうというアイデアだ。

建物そのものが風力タービンのWindwheel

Image via The Dutch Windwheel

Windwheelと名付けられたこの前衛的なビルはドーナツ状になっており、空いている円の中心に吹き込んだ風を活用してエネルギーを生成する。さらに雨水を捕獲してビル内で使われる水に再利用したり、有機廃棄物を収集してバイオガスに変えたり、ソーラーパネルが搭載されていたりと、クリーンエネルギーの宝庫のような建物になっている。

Windwheelの外観、内観

Image via The Dutch Windwheel

また、Windwheelにはアパートやホテル、スカイロビーなどができ、地元の人も観光客も楽しめる空間になっており、高層階から外を見渡せば、昔ながらの風車が保存されていることで有名なキンデルダイクも視界に入る。新旧の「風車」が対面し、オランダの歴史と未来に思いをはせることができる。Windwheelはサステナビリティの象徴であると同時に、風車の国オランダの新しい象徴でもあるのだ。

Windwheelの外観、内観

Image via The Dutch Windwheel

オランダのロッテルダムと言えば、昔ながらの街並みが残っているヨーロッパ諸国の中では珍しく近代的な建物が多い。例えばサイコロを斜めに連ねているように見える集合住宅キューブハウスは、その見た目の斬新さからロッテルダムの有名スポットになっている。Windwheelはそんな都市の景観にすんなり馴染み、「風車の国オランダ」のイメージを裏切らない安心感のあるランドマークになることだろう。

【参照サイト】The Dutch Windwheel

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