省エネだけでない。自らエネルギーを生み出す、北極圏にある世界初のホテル「Svart」

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現在の私たちの便利な生活があるのは、化石燃料からエネルギーを生み出し産業を発展させてきたからだ。しかし、化石燃料も無限に使えるものではく、石油を例にすると、2052年までに使い切ってしまうともいわれている。そして、このまま化石燃料を使い続けることは、気候変動や温室効果ガスの増加という原因になり、地球環境にも悪い。

そんな中、近年省エネ活動をとおして環境問題に取り組む企業や団体が増えてきた。ノルウェーの建設会社、Snøhetta(スノヘッタ)も、そのひとつだ。Snøhettaが北極圏に建設したSvartは、エネルギー消費を抑えるだけではなく、年間のエネルギー消費量よりも生産量が上回ることをコンセプトに作られた、世界初のエネルギーを自ら作り出す(ポジティブ・エナジー)ホテルなのだ。

フィヨルドに浮かぶ円状のホテルSvart

Image via Snohetta

ノルウェーの美しい大自然の中にそびえ立つこのホテルは、環境的な観点を元に建てられた。1年をとおしての太陽の動きや日射量など、太陽に関する壮大な調査を前提に、太陽光によるエネルギーを1年中最大限に利用できるよう、ホテルの円形状デザインや、部屋やレストラン、テラスの位置が決められた。

建物の正面全体は、夏場の太陽光を防ぐようにデザインされ、クーラーの使用を避けている。また、夏場の日照時間が長いノルウェーの特徴を生かし、ホテルの屋根には水力エネルギーによって作られたノルウェー製のソーラーパネルも取り付けられている。逆に冬場には太陽光を最大限に取り入れ、建物を温められるような大きな窓がデザインされている。これらのデザインのおかげで、従来のホテルに比べて、1年間に約85%ものエネルギー消費量を抑えられるのだ。

また、Svartはノルウェー古来の建築術による、”fiskehjell(魚を干すために使用されるAの形をした木の建造物)”と”rorbue(伝統的な漁師の家)”を参考に木造で作られており、スチールやコンクリートなどのエネルギーコストが大きい材料の使用を避けることで、ホテルが物理的に環境に及ぼす影響を最小限にすることに成功している。

木造のホテルSvart

Image via Snøhetta

世界人口が70億人を超え、2050年には100億人近くになると予測される中、さらなるエネルギーの消費は避けられない。

地球環境を守りながら人間が生活し続けるには、省エネももちろん必要だ。しかし、これからはエネルギーを生み出すことも考えていかなければならないのだ。フィヨルドを眺められるホテルに泊まって、暑くなる地球を冷ます方法を考えながら休暇を過ごしてみてはいかがだろうか。

【参照サイト】Svart
【参照サイト】The end of fossil fuels
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【関連サイト】自らエネルギーを生み出す、美しく輝くデンマークのインターナショナルスクール
(※画像:Svartより引用)