充電スタンド版Airbnb。電気自動車の利用を加速させる「Everty」

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電気自動車を普及させるうえで欠かせないのが、充電インフラの充実だ。電気自動車を利用したくても、ガソリンスタンドのように街中で気軽に充電ができる環境がなければ、なかなか遠出は難しい。

IDEAS FOR GOODでは、以前にもこの問題をシェアリングエコノミーのモデルで解決し、欧州で大きく成功を収めているスマートスクーター「Gogoro」の事例を紹介した。Gogoroのモデルはスマートスクーターをシェアし、駐車場を充電スタンドにすることでバッテリー問題を解決するという方式だったが、今回ご紹介するのは、オーストラリアで始まった充電スタンドのシェアモデルだ。

オーストラリアは現在、ジレンマを抱えている。電気自動車がより手頃な価格になっても、充電スタンドの不足が消費者の電気自動車利用にブレーキをかけているのだ。

InsideEVsによると、オーストラリアには50,000人に1つの公衆充電スタンドしかないという。11,000人に1つ充電スタンドがあるドイツと比較すると、充電インフラ不足は明らかだ。オーストラリアの国土の広さを鑑みればなおさらのことだろう。

しかし、この数字に含まれているのは公共の充電スタンドだけで、電気自動車オーナーがガレージに設置したプライベートのものは含まれていない。シドニーに拠点を置くスタートアップのEvertyが着目したのはそこだ。

自宅に充電スタンドを持つ電気自動車のオーナーが自宅の駐車場を貸し出すことで、数少ない公衆充電ネットワークを補うという、いわば充電スタンドのAirbnbモデルだ。これは電気自動車を持つ誰にとっても魅力的なものだ。住宅所有者のポケットにはお金が入り、ドライバーにオーストラリア全土の充電スタンドの利便性を提供する。

最近の豪州での調査では回答者の50%が「新車には電気自動車を購入する」と回答する一方で、2016年のオーストラリア車販売台数のうち、ハイブリッド車と電気自動車はわずか0.1%だったという。一方で、充電インフラが良好な国では、電気自動車の売り上げが伸びている。ノルウェー電気自動車協会によると、同国の登録車両の約30%が電気自動車で、オーストラリアの意欲が大きく相違すると考える理由はない。

EvertyのCEOを務めるCarola Jonas氏はFinder.comの取材に対し、「この数字は、特に市場での選択肢が広がり、充電インフラへのアクセスが向上すれば、より多くの人々が電気自動車を購入するという確信を与えている」と答えている。同氏はまた、Evertyは日中に電気を使用しないソーラーパネルの住宅所有者にとって特にメリットが大きいと指摘する。

オーストラリアには電気自動車や充電ネットワークに対する需要が十分にあることは明らかだ。Evertyの事業が本格化し、電気自動車Tesla Model 3の投入、家庭向け太陽光発電とバッテリーの拡張などが実現すれば、今年から来年にかけてはオーストラリアの道路グリーン革命の年と呼ばれるかもしれない。

環境問題が深刻ながらも同じく電気自動車の普及が遅れている中国では、政府がメーカーに生産台数の一定割合を電気自動車に義務化することを決めた。しかし、中国の例では在庫が余って叩き売りとなり、メーカーの収益が悪化し、台数が増える電気自動車にインフラが追いつかず、混乱が生じる可能性もある。一方、電気自動車の充電インフラの利便性を高めることで消費者の利用を促すこのオーストラリアの例は、Win-Winの関係を作り出す、とても合理的なシェアリングエコノミーだ。

【参照サイト】Everty

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