「オーバーシュートデー」という言葉をご存知だろうか?「オーバーシュートデー」とは、人が消費する自然資源が、地球が1年間で再生可能な量を超える日のことを指す。2017年のオーバーシュートデーは8月2日。1969年の測定開始以来、最も早いという。現在人類は地球1.7個分を使っているのだ。
この現状を解決するために、環境関連のNGO団体であるGlobal Footprint Networkが30以上のパートナーと共に立ち上げたのが、現在話題になっている #movetheday というキャンペーンだ。このキャンペーンは、人類が地球の資源を全て使ってしまう日「オーバーシュートデー」を伸ばすことを目的として始められ、ソーシャルメディアを通して広まった。
それに合わせてGlobal Footprint Networkは「Footprint Calculator」というサービスをスタートさせ、昨年は世界中で200万人がこのサービスを利用した。
Footprint Calculatorとは、ユーザー個人が消費する自然資源を測定し、世界中の人がユーザ―と同量の消費をすると仮定して、ユーザー独自の「オーバーシュートデー」を推定するサービスだ。このサービスの狙いは、多くの人が消費活動と地球資源との関係の解決策を模索し、個人としての意識を高めていくようにすることである。
Footprint Calculatorの使い方はシンプルだ。メールアドレスを登録して簡単な質問に答えていく。質問は食べ物、家、移動の3つに分類されている。大まかな質問内容は以下の通りだ。
- 食べ物:肉や魚などをどの程度食べるか。購入する食物は遠方から運ばれてくるか
- 家:住んでいる家の大きさ、居住人数、家はどのくらい環境に優しいか
- 移動:使用交通手段、所持する車の燃費。1年間で飛行機に何時間乗るか
筆者もFootprint Calculatorで「オーバーシュートデー」を計算してみた。何と6月11日。地球が2.3個分いるということだ。自らの生活はかなりエコだと思っていたので少しショックな結果だったが、交通手段を見直したり、何を食べるか、食べ物がどこから運ばれてくるかなど、環境に優しく生活していくために日常生活で気を付けていくべきヒントをいくつかもらった。
Global Footprint Networkの代表Mathis Wackernagel氏はこう語る。「地球は限りがあるが、人間の可能性は無限だ。」
食べ物のゴミを半分にすると、「オーバーシュートデー」は11日延び、二酸化炭素排出量を半分にすると89日延びるという。そして、オーバーシュートデーが毎年4.5日ずつ遅くなっていくと、2050年までに人類の消費と地球の資源が同等になる。
人類が地球にかける負荷を計る「オーバーシュートデー」。私たち一人一人が今日からできることがきっとあるはずだ。
【参照サイト】On Earth Overshoot Day (August 2), calculate your own Overshoot Day and #movethedate
【参照サイト】Footprint Calculator