インドネシアの農業問題を救う、ふたつのスタートアップ

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インドネシアでは、「農村の貧困」が社会問題になっている。そもそもこの国の農業従事者の多くは「学歴の低い肉体労働者」だ。中学校に入学していない人も多く、彼らは基礎的な経済知識すらも持ち合わせていない。そしてそれにつけ込む者も存在する。

それがいわゆる「中間搾取」というものだ。農作物の本来の相場を知らせず、正規の流通ルートも教えない。不当な買値といくつもの中間ネットワークを農業従事者に押し付け、暴利を得る。インドネシアではそのような不当な搾取が平然と行われている。

それを阻止する有効な手段として注目されているのが、インドネシアの農業従事者に向けた新興プラットフォームの「TaniHub」だ。インドネシアでも、他国と同様に「食の安全」に対する意識は高まっている。そこで重要になるのが、生産者の顔を公開することだ。得体の知れない誰かが作った果物よりも、「○○に住む誰々さん」の作った果物のほうが消費者から信頼される。産地だけはでなく生産者も明確にすべきという動きがインドネシアにもあるのだ。

サプライチェーンを透明化する動き

Image via TaniHub

そしてこの動きは、消費者と生産者の利害が一致する流れでもある。この国の生産者が求めているのはフェアトレードだ。だが公平な取引を実現させるためには、三次、四次とおよぶ中間マージンを排除しなければならない。TaniHubは、生産者と消費者を仲介者なく直接つなぐECサービスを提供している。これを利用すれば、農業従事者を苦しめる複雑怪奇な搾取構造を駆逐することができるのだ。

「フィンテックは中間ネットワークを打ち消すことができる」そう公言したのは、ジョコ・ウィドド大統領だ。

ECサービスには電子決済が欠かせない。インドネシアで電子決済やeウォレットというものが普及すれば、結果的に従来の仲介業者はアナログ化する。効率性と正当な利益が農業従事者にもたらされる、というわけだ。

そしてTaniHub自体、その形状はまだ発展途上である。単にECサービスだけで終始させる気はないようだ。

TaniHubは最近、現地系スタートアップ「Modalku」とパートナーシップを締結した。ModalkuはP2P出資プラットフォームで、融資の対象はインドネシア国内の中小零細事業者だ。TaniHubと連携することで、農業従事者への融資事業を拡大するという。

Modalku

Image via Modalku

なお、Modalkuへの出資者はどこの国の国籍でも構わない。公式サイトからの出資者登録は英語に対応している。日本人の場合はパスポートの写真を求められるが、登録作業が済めば即座にシナルマス銀行のModalku専用振込口座番号が発行される。

テクノロジーを強みに社会課題解決に取り組むふたつのスタートアップが、貧困の底に沈むインドネシアの農業を救おうとしている。

【参照サイト】TaniHub
【参照サイト】Modalku

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