アルゼンチン中部に位置するコルドバ州アルタグラシア市のNPO団体EcoInclusionが、2017年にメキシコで開催されたグーグルチャレンジで最優秀賞を受賞した。この大会の目的は、社会にポジティブなインパクトを与える開発の推進だ。
現在、世界には解決すべき環境問題や貧困問題がある。LA NACIONによると、アルゼンチンでは毎日1200万本のペットボトルが捨てられており、リサイクル率はわずか15%だという。また、アルゼンチンに住む300万人が居住に適した家を所有しない貧困状況に置かれている。
EcoInclusionは、この問題解決に貢献すべくアルゼンチンの若者3人が2014年に設立したNPO団体だ。ペットボトルゴミ問題の削減を目標とし、ペットボトル20本からレンガを生産する。今回のグーグルチャレンジでの最優秀賞受賞の他に、これまで多くの受賞歴がある。
EcoInclusionの特徴は、地方自治体と民間会社と協力してペットボトルを集め、レンガをつくり、建材として使用するというペットボトルの循環モデルを持つことだ。街中にゴミ収集箱を設置してペットボトルを集め、工場に運んで粉砕し、セメントと添加物と混ぜてエコレンガをつくる。そして、エコレンガは地方自治体が建設する建物や個人の建物に建材として使用されるのだ。
この循環モデルには、以下の3つの目的がある。ゴミとなったペットボトルを使うという環境への配慮。労働を必要とする人々にレンガを生産するという労働機会をもたらす社会性。リサイクルの重要性についての人々の意識を高めるという教育である。
このレンガは特許と製造許可を取得済みだ。ペットボトルから作られたレンガは、土でできたレンガによく似た特性を持つが、より軽量でより優れた遮熱効果を持ち、そして何よりも環境に優しい。
20本のペットボトルから作るエコレンガ。プラスチックゴミから環境と社会に優しい連鎖をもたらす、とてもいい試みだ。
【参照サイト】EcoInclusion
【参照サイト】LA NACION
(※画像:EcoInclusionより引用)