誰でも過去にタイムスリップできる。旅のお供に、歴史が面白くなるARアプリ「Nexto」を

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観光においてオーディオガイドの需要は年々減ってきている。海外で現地語が喋れなくても、スマートフォンひとつあれば、通訳いらずで自分の行きたい場所や食べ物など探せるようになったからだ。そんな便利な時代に、AR(拡張現実)技術によって現実の風景に歴史上の人物が現れ、ゲームをしながら気軽に歴史を学べるアプリ「Nexto」が登場した。

歴史と聞くと、学生時代に年号や人名をひたすら覚えた記憶から、苦手意識を持っている方も多いのではないだろうか。しかし歴史は生きた人の物語であり、私たちの身近な場所にも歴史があることを忘れてはいけない。Nextoは、何気ない景色の中に潜む歴史の存在を、現代のテクノロジーと組み合わせ観光コンテンツとして昇華させたデジタルガイドである。

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Image via Nexto

世界中で流行したポケモンアプリのように、特定の場所にスマートフォンのカメラを向けることで物語は始まる。たとえば、上の写真はロミオとジュリエットの舞台となった場所であり、二人の会話とARによる映像からここで起きた物語を知ることができる。インタラクティブ方式のため、堅苦しく一方的な歴史の教科書よりもずっと親しみやすい。

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Image via Nexto

得た知識は、上の画像のようにゲームやパズルで気軽に復習できる。また、クイズに正解すればAR上の記念品がもらえるというユーモアのある仕掛けもある。子どもがこのアプリを使えば、ゲーム感覚で楽しみながら歴史の勉強にはげむことができるに違いない。

NextoはiOSとAndroidの両方に対応しており、インストールも無料でできる。現在、対象地域はスロバキアのみだが、今後はパリ、プラハ、ローマなどの都市にも展開していく予定だ。また、ロミオとジュリエットのような物語はアプリ製作者だけでなく、プログラミング知識のない個人でも作成・編集ができる。多くの人が物語の作り手になり、観光の新しいかたちとして使えるこのアプリは近いうちに他の地域にも広がっていくと期待できる。

日本でも大河ドラマのロケ地となった場所を聖地巡礼と称して観光するツアーなどがあるが、このNextoを使えば、特別な観光地でなくともAR技術とわかりやすい物語によってその地域の歴史を知ることができる。日本の歴史や文化を学びたい外国の方にもぴったりだ。Nextoが日本にも展開すれば、インバウンド観光のさらなる発展にも一役買いそうである。

【参照サイト】Nexto
(※画像:Nextoより引用)

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