リアルタイムの自動通訳で多言語の会話が弾む「Connecting Seats」空港に導入

Browse By

IDEAS FOR GOODでは、以前空港での待ち時間を活用し、プライベートからビジネスまで有益な出会いへとつなげる空港版SNSアプリ「WaitList」を紹介した。同じく「人が空港で持てあます暇」を活かす発想から生まれたもうひとつの企画がある。KLMオランダ航空が広告代理店DDB&Tribalと共同でアムステルダム・スキポール空港に期間限定で導入した「Connecting Seats」だ。

Connecting Seatsは空港内を行き交う世界各国の人々が向かい合って座り、リラックスすることができるシートだ。しかし、それだけではない。人工知能による音声認識技術を搭載したGoogle Cloud Speechを使用し、人々がシートに腰かけて話す言葉をマイクが拾うことで互いの言語にリアルタイムで変換され、スピーカーから音声が発せられるシステムである。

これにより、外国語が苦手な人であっても空き時間を利用し、他国の人々と自然に母国語での会話を楽しむことができる。自分の話した言葉が自動的に通訳され、他国の人にもリアルタイムで通じるという体験は斬新でおもしろく、参加者の顔が自然とほころんで話も弾む。

期間中の動画では、新たな音声や自動翻訳の技術が私たちのコミュニケーションにどのような恩恵をもたらすかを教えてくれている。

1月は帰省から再び日常に戻る時期であり、空港は人で溢れかえっている。チェックインから搭乗までの時間を持てあます人は多い。さまざまな人が集まる場所ではあるが、自分のスケジュールに意識が集中していることや言語の壁もあいまって、乗客はフライト待ち時間に人とのつながりを持たない傾向あるという。Connecting Seatsは、空港のシートで退屈そうに待つ人たちをつなげる一歩となったのではないか。

日本でも、東京五輪に向けたおもてなしの一環で、テクノロジーによって言葉の壁を取りのぞく試みが検討されており、今回使われたような技術は、将来的にはさらに生活の中に浸透していくことが予想される。たった数日間ではあるが、Connecting Seatsによる空港での思いがけない一幕で、心温まる新たなつながりが生まれたようだ。

【参照サイト】KLM Connecting Seats