新たな公共スペースは海の上。都市の可能性を広げる、コペンハーゲン港に浮かぶ人工島

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海に浮かぶ島。これは、コペンハーゲンの港に登場した新しい公共スペースだ。

上から見た島

広さは25平米(約16畳)。木でできた島の中央に植えられた菩提樹が、涼しげな木陰をつくる。この島の上で寝そべって青空を見上げれば、風にそよぐ木の葉と波、そして太陽を感じることができるだろう。

コペンハーゲンにできた、この新しいタイプの海上公園“Parkipelago” は、“Copenhagen islands“と名付けられたプロジェクトのもと、都市における公共スペースの場所と機能に重点を置いて作られた。

海に浮かぶ島

私たちは、港と聞いて何を思い浮かべるだろうか。漁業船、大型船、コンテナ船、ヨットハーバー。コンクリートで護岸され、安全かつ機能的につくられているが、そこに住む人や遊びに来た人が港でゆっくり余暇を楽しめる場所は多くはない。

この島を設計したコペンハーゲンのデザイン事務所FOKSTROTの建築家Marshall Blecher氏とMagnus Maabjerg氏は、プロジェクトサイトで以下のように綴っている。

「現在、港で行われている急速な開発は、レクリエーションの場所を脅かしている。さらに、世界の海水上昇も都市環境に与えられた挑戦だ。」

世界の海面水位は、過去25年間で8㎝上昇したという。特に海に面した国や都市にとって、この問題は深刻だ。現在、海面上昇の原因を探り、さらなる上昇を防ぐ対策が世界規模でおこなわれていると同時に、海の上の街づくりや太陽光発電所など、地球の大部分を占める海という場所の活用もはじまっている。

Blecher氏とMaabjerg氏は、土地の人が忘れかけた、使われていない港の一角に、公共スペースとしての人工島を配置することで、人々の生活と余暇活動を結びつけた。

点々と浮かぶ島の図

島の上の施設は、多様で魅力的だ。サウナ、庭、貝の養殖、カフェなどが設置され、イベントも開催できる。港を泳ぐ人、カヤックやヨットに乗った人、釣り人が島に寄って一休みしながら、海の上で豊かな時間を過ごせるのだ。

島の淵に取り付けられたハシゴを使えば、島に上がるのは簡単だ。子供たちは暑い夏、島からハシゴを使わずに何度も何度もジャンプをするだろう。冬季やイベント開催時は、バラバラに浮かんでいる島を一緒に集めてまとめ、港からアクセスしやすいようにするという。

そして、環境にも優しい。この島は、コペンハーゲン港内のボート製造場で、伝統的な木製ボート製造技術を用いて手作業で作られた。材料はすべて再生可能で地元のものを使っている。

今後、この島はコペンハーゲンの港内で、設置場所を期間ごとに変えていく予定だ。コペンハーゲンの港に登場した、皆が無料で使用できる新しいタイプの公共スペース。海の上という、移動可能な新しい空間で、都市の可能性と魅力がさらに広がりそうだ。気候がよくなっていくこれからの季節、コペンハーゲンの人たちは、もっと笑顔になるだろう。

【参照サイト】Copenhagen Islands
【参照サイト】海面上昇は予想を上回るペース、NASA
(※画像・情報提供:Copenhagen Islands)