スターバックスとネスレが提携。サステナブルな「最高のコーヒー」提供目指す

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普段、私たちが何気なく飲むコーヒー。お店で提供されるまでに生産、輸出、焙煎など、実に数多くのプロセスを経ている。世界の主要なコーヒーの産地は、ブラジル、ベトナム、コロンビア、インドネシア、エチオピアなど、開発途上国の国々が並ぶ。現在世界中で消費され続けるコーヒーが良くなれば、世界がもっと良くなると言っても過言ではない。

食品世界最大手のネスレが米スターバックスのブランドの小売用・業務用製品の無期限グローバルライセンス取得に合意したことが5月7日、発表された。

ライセンス取得のためにネスレが支払う72億米(約7900億円)ドルの資金で、スターバックスは今後、自社株買いを加速させていく。ネスレは強みのカプセル式製品「ネスプレッソ」や「ドルチェグスト」にスターバックスブランドを活用する意向だ。

ネスレとスタバのサステナビリティに関する提携

Image via Buisiness Wire

スターバックスの最高経営責任者であるケビン・ジョンソン氏は、「この世界的なコーヒー・アライアンスは、ネスレの存在を通じ、スターバックスのエクスペリエンスを世界中の家庭にもたらします。 この歴史的な決定は、変化する消費者のニーズに対応するために、事業を進化させる継続的な取り組みの一環です。」とコメントしている。

競合する同業のビッグプレーヤー同士が手を組む意図の一つとして、コーヒーをサステナブルな農業製品にすることが挙げられる。両社は、世界中の顧客に「最高のコーヒー」をもたらすための革新と市場戦略について緊密に協力していく。この「最高のコーヒー」の基準が、消費者の価値観と共に変わりつつある。よりエシカルでサステナブルなことが、良いコーヒーの条件の一つに数えられるようになったのだ。

農家や製造従事者の労働環境が安全に配慮されているか、使用する肥料選びなど、より持続可能な農法かどうか。農法の改善は、品質の良いコーヒーを長きに渡り安定して生産することにもつながり、農家の生産性を上げる。それは結果的に、農家にとって安定した所得の確保も意味する。

コーヒーをエシカルでサステナブルにすることで、地球環境や生産者はもちろん、品質の良いコーヒーを飲める消費者もより幸せになる。今回の提携は、そのような効果があると読み取ることも出来ないだろうか。

【参照サイト】Starbucks and Nestlé Form Global Coffee Alliance to Elevate and Expand Consumer Packaged Goods and Foodservice Categories Around the World
(※画像:Buisiness Wireより引用)

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