100%リサイクル可能なダンボールのテントで、音楽フェスのゴミ問題を解決

Browse By

今年も夏がやってきた。そう、音楽フェスティバルのシーズンでもある。JOIN ALIVE、RISING SUN ROCK FESTIVAL、FUJI ROCK FESTIVAL、SUMMER SONICなど、いまでは多くの音楽フェスティバルが日本でも毎年開催されている。

いそがしい日常から離れ、太陽の日差しの下で音楽に身をまかせて踊る。毎年楽しみに待っている人も多いだろう。しかしながら、毎年フェスティバル会場には、多くのゴミが投げ捨てられ、そのまま残されていくのをご存知だろうか。2017年、イギリスを代表するロック・フェスティバルの「グラストンベリー・フェスティバル」では、そのゴミの回収に78万5,000ポンド(約1億1,568万円)もの費用がかかったというのだから驚きだ。

ゴミとなるのは、ペットボトルや缶、そして多くのテントである。二日酔いや疲れなどからテントを持って帰るのが面倒になり、4人に1人近くがテントをそのまま残していくというのだ。そうして残されたテントは、埋立地にそのまま投棄されてしまう。

そんな無駄をなくすために、解決策を出したのが、オランダのKarTentだ。KarTentは、100%リサイクル可能なダンボール製テントを開発した。

リサイクル可能な段ボールテント

Image via Kartent

通常のテントと違い、開発にかかるエネルギーも少なく、簡単にリサイクル素材に作り替えられるテント。つまり、使用後はそのまま紙のリサイクルとして回収され、トイレットペーパーや本として再利用されるのだ。このダンボールは高品質の木材繊維から作られているため、耐水性もあり、雨が降ってもその形をしっかりと保つ。テント自体の重さの最大4倍まで吸水できるようだ。

また、表面にフェスティバルのロゴや、企業のロゴを簡単にプリントをすることができる。スポンサーは自分たちの企業をアピールでき、利用者は自由自在にテントをデザインすることもできるのだ。

KarTentの素晴らしさはこれだけではない。このテントを購入した場合、KarTentがフェスティバルの会場まで運んでくれ、さらには回収にも来てくれるのだ。つまりは、フェスティバルを楽しんだ後に、わざわざ持ち運ぶ必要がないのだ。

リサイクル可能な段ボールテントをつかったフェス

Image via Kartent

このKarTentは、2017年度に国際的なプロダクトデザイン賞であるRed Dot Design Awardを受賞した。その後はオーストラリアの音楽フェスティバル“Yours and Owls”で使用され、他にもヨーロッパの国々で使用されている。

日本でも、夏の風物詩となってきている音楽フェスティバル。毎年、これを楽しみに生活している人も少なくはないだろう。しかし、このゴミ問題が深刻化すれば、いつかは開催自体が不可能になってしまうかもしれない。今後の開催のためにも、会場に残していくのは、ペットボトルのゴミやテントではなく、音楽フェスティバルが終わってしまうという名残惜しい気持ちだけで良いでのはないだろうか。

【参照サイト】KarTent
【参照サイト】THE MORNING AFTER Glastonbury clean-up costing £785,000 and lasting six weeks begins as 200,000 festival-goers head home leaving behind mounds of rubbish
(※画像:KarTentより引用)

FacebookTwitter