最高の決断は、素早く行われる。ディーゼルが開発した15分限定の会議室

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仕事の会議に長く時間を取られすぎている、と感じたことはないだろうか。大人数が参加するため一人一人の注意力が散漫になり、まどろんだ頭でコーヒーを飲み、居心地の良い会議室の中で会議の時間がどんどん伸びていく。気持ちよく働ける職場環境を整えるのは悪いことではないが、快適すぎるあまり働き方が非効率になるのでは、本来の目的を見失ってしまっている。

こういった状況に危機感を抱いたイタリアのアパレルメーカーであるディーゼル(DIESEL)は、会議の無駄な時間をなくすため、あえて居心地の悪い会議室「THE CAPSULE」を開発した。

会議の50%の時間は無駄になっているというガーディアン誌のデータと、ディーゼルの創始者Renzo Rosso氏による「私が今までに下した最高の決断は、素早く決めたものだった」という言葉を反映し、THE CAPSULEにいられる時間は最長15分という長さに設計した。

THE CAPSULEの特徴は時間制限だけではない。その名の通りカプセルのような狭さで大人数は入れず、椅子も小さくて座り心地が固そうだ。本当に必要な人だけが集まり、リラックスする間もないようにする工夫だろう。

さらに一定時間が経過すると、あらゆる仕掛けが作動して参加者を急がせる。プレゼンテーションのスライドは見れなくなり、会議テーブルが傾きだす。モノが机からすべり落ちる!と慌てているところに、今度は激しい風が机の書類を吹き飛ばす。ここまで来たらもう書類とにらめっこしている場合ではなく、話をして意思決定をするべき時だ。ついには、東洋の陰陽の文化からインスピレーションを得たという、照明の点滅が始まる。

風に翻弄され、光と闇が交差するなか、参加者は迅速に会議をまとめあげる。15分経過のブザーが物々しく鳴り響く頃には、追い出されるようにしてTHE CAPSULEを後にする。もちろん、会議の成果と共に。ディーゼルによると、THE CAPSULEを利用した会議の99%は成功で終わったという。

ディーゼルは“For Successful Living(幸せに満ちた人生を謳歌しよう)”という理念を掲げる企業であり、THE CAPSULEを開発したのも仕事を効率的に終わらせ、豊かなワーク・ライフ・バランスを実現しようという想いが込められてのことだ。不穏な予感に満ちた会議室ではあるが、その根底にある心配りはやさしくあたたかい。

【参照サイト】THE CAPSULE