意外と身近な“ペンキ“ごみ。英国のヴィーガン塗料「YesColours」が廃棄を減らす

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クリーンな印象を与える白。リラックスした雰囲気の緑。エネルギッシュな赤に、気持ちをパッと明るくする黄色。私たちの身の回りには、色が溢れている。一方、建物や家具を鮮やかに彩ってくれる塗料が、実は大きな環境問題を引き起こしていることをご存じだろうか。

英国では、毎年5,500万リットルの塗料と14,000トンの塗料缶が埋立地に送られている。塗料や缶のリサイクルを受け入れるリサイクルセンターは全体の3分の1に過ぎず、塗料廃棄物のうちたった2%しかリサイクルされていないという現状があるのだ(※)

このような状況を変えようと立ち上がったのが、英国のヴィーガン塗料メーカー「YesColours」である。

YesColoursは、コロナ禍の2020年に、20年来の友人であるジョン・スタッブスとエマ・ベストリーによって設立された企業だ。「色をすべての人に開放する」というミッションを掲げ、パウチパック入りのヴィーガン塗料を開発・販売している。

同社では、塗料のパッケージに缶ではなくリサイクル可能なパウチパックを採用。これにより、化石燃料の使用量を26%、製造過程での温室効果ガスの排出量を21%削減した。さらに、パッケージが柔軟で軽量な素材であるため、輸送効率が大幅に向上し、CO2排出量を減らすことができたという。

また、缶の塗料は一度開封してしまうと劣化が進んでしまい、ごみとして捨てなければならなくなることもある。パウチパックの場合は、気密性が高いため、湿気や埃、カビなどから中身を保護し、塗料の寿命を延ばすことができるのもポイントだ。

塗料は完全に英国内でデザイン・生産されており、地域密着型のサプライチェーンを構築している。

また、YesColoursでは、心と身体の健康を増進する色彩理論に基づいてカラーをデザイン。さらに、同国のチャリティ団体と協力して、LGBTQ+コミュニティや精神疾患を持つ人々を始め、若者のメンタルヘルス問題にも取り組んでいる。

「人々がトレンドや季節に左右されることなく、『気分の良さ』だけを基準に自信を持って色を選ぶことができるように」……YesColoursはそんな想いで、豊かな色彩の塗料をデザインする。

共同創業者の1人・エマは、文字や数字が特定の色で見える共感覚(書記素色覚)を持つ。91 MAGAZINEのインタビューで、インスピレーションの元を聞かれた際には「私は、映画、アート、作る料理、読む本、ワードローブ、音楽、 庭 、旅先など、何にでも、どこにでもインスピレーションを見つけます」と語っていた。

未来を描く、という表現があるように、ペイントすること=色をのせることは、私たちのこれからを明るく彩る行為なのかもしれない。自身の手で、曇りなく美しき未来を描くために──私たちができることは何だろうか。

Sustainability: this is about more than just paint, it’s about our planet.(YesColours)

【参照サイト】YesColours
【参照サイト】Love What You Do: Emma Bestley of YesColours(91 MAGAZINE)
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