読書離れ対策にインスタグラムの「ストーリー」を使うNYの図書館

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あなたが最近本を読んだのはいつか思い出してみてほしい。

近年、若者を中心に読書離れが進んでいる。全国大学生活協同組合連合会の調査によると、2017年度の大学生の読書時間は1日平均約24分。そして1日の読書時間ゼロの学生が、全体の49.1%と過去最高だという。

ここまで現代人の読書の習慣が減ってしまったのには、スマートフォンやパソコンで調べたいことを瞬時に解決できたり、SNSやゲームなどに費やす時間が増えたりしたことが多少なりとも影響を与えているのだろう。

全世界的に進む読書離れの現状を受け、ニューヨーク公共図書館がインスタグラムを使って気軽に本を読むことができるサービス「Insta Novels」の提供を始めた。

このサービスは、スライドショーのように画像や動画を見せる「ストーリー機能」を活用し、ニューヨーク公共図書館のインスタグラムアカウント(@nypl)にて、本のページを公開するというもの。本のキャプチャ画像を流すだけでなく、アニメーションや音楽なども随所に使われているなど、読者を飽きさせないユニークな仕掛けもある。

Image via New York Public Library

物語のパートごとにストーリーの「ハイライト機能」でまとめられ、作品を連続して楽しむことができるのだ。

Image via New York Public Library Instagram

現在、ルイス・キャロル著の『不思議の国のアリス』が配信されており、今後はシャーロット・パーキンズ・ギルマン著『黄色い壁紙』やフランツ・カフカ著『変身』などが順を追って公開されるという。

Image via New York Public Library

インスタグラムといえば、2018年6月には月間アクティブユーザー数がついに10億に達したと公式発表されている。単純計算で、全世界でおよそ7人に1人が利用する影響力の大きなSNSだ。また2017年のデータによると、13~18歳のティーン世代がその他のユーザーより4倍多くのストーリーを閲覧しているそう。

Insta Novelsは、”本から離れていく人々がいるならば、人々が多くいるインスタグラムという場所に本の方から歩み寄る”という新たな取り組みである。普段から使っているSNSで気軽にで本に触れることができれば、古くから愛された書物の魅力に気づく人もいるのではないだろうか。

ニューヨーク公共図書館はInsta Novels以外にも、図書館利用者のみが30万冊以上の電子書籍が読めるアプリ「SimplyE」も提供している。先人の知恵や発見が詰まった本がこれからも生き続けるために、変化する時代に適応していくことが大切だとInsta Novelsは教えてくれている。

【参照サイト】New York Public Library
【参照サイト】Instagram hits 1 billion monthly users, up from 800M in September
【参照サイト】Celebrating One Year of Instagram Stories
【参照サイト】全国大学生活協同組合連合会第53回学生生活実態調査の概要報告
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