食品廃棄量を50%削減。飲食店向けフードロスのモニタリングシステム

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今、フードロスは世界的な問題として取り上げられているが、問題解決までの道のりはほど遠い。農林水産省と環境省の公表値では、2015年度に廃棄された食料は約2,842万トンだと報告されている。そのうち、食べられるにも関わらず捨てられてしまった量は約646万トンにも上り、1日に日本人一人あたり茶碗1杯を捨てているという換算になる。世界では食品の3分の1が捨てられているのだから、極めて深刻な問題だ。

食べきれないほどの量の食料を生産して、かつ廃棄処理のエネルギーを考えると、フードロスは二酸化炭素の無駄な排出にもつながる。そもそも捨てられるのだから、最初から作るべきではないと多くの読者は思うだろうが、習慣や文化を変えていくことへのハードルが高い。

そんな中、ロンドン発祥のWinnow(ウィノー)というスタートアップ企業が飲食店向けのB2B型食料廃棄モニタリングソリューション「Winnow Solutions(ウィノー・ソリューションズ)」を開発した。サービスを開始した2013年から現在まで、30億円以上のコストが削減され、現在39,000トンの二酸化炭素排出の削減に成功している。

Winnow

Image via Winnow

システムはいたってシンプルだ。飲食店側が食品を捨てる際、タブレットで食料の種類や廃棄の理由(皮を剥いたから捨てるのか、ただ消費期限がきたからなのか等)を選択すると、スマートスケールがついているゴミ箱が廃棄する食材の重量を計測してくれる。これらのデータがクラウド上で蓄積されていくことで、次第に捨てる食品の傾向を把握でき、仕入れや購買計画の際に役立つようになっている。

現在のところ、ノボテルやハイアット、ヒルトンなどの世界の主要ホテルで主に採用されている。小売のIKEA(イケア)でも導入後に成果を出しており、1年間で4万8,000食分の食料を節約し、10万930ユーロ(約1288万円)以上のコスト削減につながったという。

Winnow社によると食料廃棄は購入した食料の20%を占め、その店舗の利益と同程度の額になっているという。つまり、食料廃棄を半分にするだけで利益を10%上げることができる計算となる。公式サイトには、これまで削減できた食料コストや二酸化炭素削減コストが数字で明確に示されている。

記録をすることで今いる立ち位置を把握し、そこから対策を打つことができるため、食料廃棄の分野でこそ必要な考え方だ。テクノロジーの進化により、今後も食料廃棄に取り組むシステムができあがってくるだろう。それと同時に人々の意識や習慣が変わっていくことも期待したい。

【参考サイト】 Winnows
【参考サイト】 The Guardian “The smart tech startup helping restaurants cut food waste by 50%”
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