ビニールの代わりにバナナ?タイのスーパーが打ち出した、地域特有のプラスチック削減方法

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脱プラスチックの流れが世界的な高まりを見せる中、タイのスーパーの取り組みが話題となっている。

スーパーの名前はリンピンスーパーマーケット。この春、今までビニール袋で包装していた野菜を、バナナの葉で包む方法に切り替えた。その写真を地元の不動産会社、パーフェクトホームズが3月にフェイスブックに投稿したところ瞬く間に話題となりシェアが急増。

約1.7万件ものシェアがされ、世界最大のビジネス紙Forbesにも取り上げられたほか、ドイツの新聞やテレビ局までが現地まで取材にきたという(※1)

この取り組みに関するコメントやシェアは今なお続いており、「すばらしいアイデアだ」「いい取り組みだ、プラスチック包装をなくそう!」「自分の国でもやってほしい」など前向きなコメントが次々と書き込まれている。

バナナの葉包装

Image via Perfect Homes Chiang Mai – perfecthomes.co.th

プラスチック包装と比べ、見た目が美味しそうであることなど、青々とした葉に包まれた野菜のようすが好感を呼んでいることも特徴だ。

バナナの葉で包む取り組みは、タイだけではなく、ベトナムやフィリピンのスーパーでも拡大している。ベトナムでは、ロッテマートやサイゴンコープ、ビッグCスーパーマーケットなどが試験的に取り組みはじめた。なかでもロッテマートは、今後、国内にあるすべての店舗で実施していく予定で、さらには野菜だけではなく肉の包装にもバナナの葉を使っていきたいと考えているという(※2)

タイのスーパー

Image via Shutterstock.com

IDEAS FOR GOODの取材に対し、パーフェクトホームズの担当者は「タイにはバナナの葉はたくさんあり、昔から料理や食べ物を包むのに使われている。お客さんの反応はよく、バナナの葉に包まれた野菜を喜んで買っているが、プラスチック素材で包装された商品もまだたくさんある。ステップバイステップで切り替えがされていくようだ」と語った。

米サイエンス誌の調査によると、海洋にプラスチックごみを排出している国は、第2位がインドネシア、第3位にフィリピン、第4位にベトナム、第6位にタイ、と東南アジアの国々が並んでいる(※3)。これらの国はいずれもバナナベルト、つまりはバナナ栽培地に適した場所に位置する国々ばかり。

バナナベルトの国々がこぞってプラスチック包装をバナナの葉に切り替えることができるなら、プラスチックごみを減らせるだけではなく、地域に新たな雇用を生み出していく可能性も生まれるのではないだろうか。

振り返ってみると、日本でも柏餅や竹の皮で包んだおにぎりなど、伝統的に葉で何かを包む習慣がある。温故知新。日本でも自然素材を容器包装材として活用することを改めて検討してみてはどうだろうか。

※1 Perfect Homes Chiangmai – Facebook
※2 Vietnamese supermarkets go back to leaves, leaving plastic bags
※3 Waste estimates for 2010 for the top 20 countries ranked by mass of mismanaged plastic waste, SCIENCE, VOL 347 ISSUE 6223 13 FEBRUARY 2015.

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