モチーフは電気回路。こころや神経の病気を正しく理解するための文字「コネクトフォント」

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あなたは、「そううつ病」や「てんかん」などのこころや神経の病気についてどんなイメージを持っているだろうか?それらの病気を患ったことがない方の中には、「よく分からない」「なんとなく怖い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれない。

しかし、実際にはこころの病気は生涯を通じて5人に1人は患う病気であり、決して他人事の病気ではない。次の患者が自分になる可能性もあれば、愛する家族や親しい友人になることもある。

こころの病気を患ったとき、その人が病状を回復していくうえで何より大事になるのは、周囲の病気に対する正しい理解とサポートだ。そこで、少しでも多くの人々にこころや神経の病気について関心を持ってもらい、知らないことからくる不安や誤解をなくしてほしいと願い、ユニークな方法で啓発活動に取り組んでいる企業がある。

それが、ヘルスケア事業を手がける大塚製薬だ。同社は、病気についての正しい知識を広めるために展開しているプロジェクトの一環で、「コネクトフォント」という全く新しい文字フォントを制作した。

こころや神経の病気は、症状の違いはあるものの、基本的には共通して脳の神経の情報伝達が不調になることで引き起こされる。しかし、マクロミル社の調査によると、「そううつ病」「統合失調症」「てんかん」「パーキンソン病」の4つの疾患の共通点について質問したところ、「脳」や「神経」と回答した人はわずか6%だったという。

そこで大塚製薬が考えたのが、誰もが日常的に使用している「文字」というメディアを使い、こころや神経の病気が起こる仕組みを分かりやすく伝えるという方法だ。コネクトフォントは、一言で言うと電気回路を表現したオリジナルの「フォント」だ。大文字アルファベット26文字と記号・数字の11種類が用意されており、それぞれの文字はすべて「回路」の形状になっている。

コネクトフォント。電気回路の形状となっている。

このユニークなフォントは、もともと大塚製薬がこころや神経の病気について広く知ってもらうためのキャンペーンとしてはじめた「ツナゲルペンとツナゲルノート」という企画から生まれたものだ。

「ツナゲルペンとツナゲルノート」は電気を通すインクを使ったペンとノートのセットで、脳の情報伝達の不調をつながっていない電気回路で表現し、ペンでその回路をつなぎ、ノートに埋め込まれたLEDをひとつずつ点灯させていくことで、伝達不調を具体的にイメージできるようになっている。

この活動は2015年から始まり、現在は大学の授業や企業の研修などで活用されている。また、NPO法人シルバーリボンジャパンを通じ、このツール制作の一部がこころの病気をもつ方が働く事業所に委託されている。

大塚製薬は、この活動を少しでもより多くの人に知ってもらうために、「ツナゲルペンとツナゲルノート」のコンセプトを文字で表現し、それを「コネクトフォント」として無料でダウンロードできるようにした。

コネクトフォントは病気に対する正しい理解を広げる新しいアイデアとして、世界三大広告賞の一つONE SHOW(ワンショー)でも2017年にメリット賞を受賞するなど、国際的に高く評価されている。

そもそも文字は情報を伝えるために生まれたものだが、そこに少しのクリエイティビティを加えるだけで、伝えられる情報は何倍にもなる。問題を知ってもらうための情報伝達手段として、誰もが日頃から使っていて親しみやすい「文字」というメディアを使うことで、楽しみながらこころや神経の病気に興味を持ってもらえるきっかけを創り出している点がユニークだ。

この文字をはじめて見た人は、誰でも「なんだろう?」と関心を持つはずだ。そして、その裏に隠された意味を知ったとき、それがその人にとってこころや神経の病気に関する正しい理解をするためのはじめの一歩となるのだ。

大塚製薬のコネクトフォントには、なかなか理解されづらい問題について広く関心を持ってもらうためのヒントが詰まっている。

【フォントダウンロード】大塚製薬 精神(こころ)や神経の病気に関心をもとう!