ニューヨークの廃材からギターを創る名店の1週間を描いたドキュメンタリー映画『カーマイン・ストリート・ギター』8月公開

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ニューヨークには、知る人ぞ知る伝説のギターショップがある。ボブ・ディランや、ルー・リードも通った「カーマイン・ストリート・ギター(Carmine Street Guitars)」は、ニューヨークの街から出た廃材から世界にたった一つのギターをつくるショップだ。数々の著名アーティストが滞在したチェルシー・ホテルや、リンカーン米大統領やも通った街最古のバー、マクソリーズ等、街の名建築の“名残”を譲り受け、ギターとして次の世代に残している。

そんな名店の1週間を描いたドキュメンタリー映画『カーマイン・ストリート・ギター』が、2019年8月10日から新宿シネマカリテ、シアター・イメージフォーラムほか全国で順次上映開始だ。本作は、第75回ヴェネツィア国際映画祭や、第43回トロント国際映画祭にも正式出品している。

カーマイン・ストリート・ギター

カーマイン・ストリート・ギター

有名ギタリストたちがこよなく愛するこのギターショップには、工房が併設されており、無形文化財ともいえるなんともユニークな人々が働いている。店主のリック、リックの母親ドロシー・ケリー、そしてリックの弟子のシンディ・ヒュレッジ。物語の主人公リックは、携帯もインターネットも使わない。今ではなかなか目にすることのなくなった、伝統的な職人の世界がここにある。

リックはよく近隣の解体工事現場に通い、廃材を持ち帰っている。それをちょっと触るだけで、いいギターに生まれ変わるかどうかの判断ができるという。そして長い年月の間に作り出された廃材の質感、ついた傷、タバコや酒の染みもそのままに、何とも味わい深いギターを生み出す。そもそもなぜ廃材を再生しようと思ったのか?それは本編を見てのお楽しみだ。

このギターづくりは、必要とされなくなった廃材から新たに価値あるものを生み出すだけではなく、消えゆくニューヨークの文化を残すことにもつながる。映画監督のロン・マンは、「音が良くかっこいいギターだけでなく、独特な空気が漂うユニークなこの店と、ギター職人のリックの禅のような哲学に魅了されました」と語った。

大都会の片隅に佇む小さなギターショップと、足繁く通うギタリスト達。そこには、現代の大都会で失われた人々の心の触れ合いが今も続いている。

【参照サイト】カーマイン・ストリート・ギター