サボテンの皮を発酵させて作る、メキシコ発のバイオ燃料

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サボテンは、あまり水をあげなくても育つ点で有名な植物だが、私たちの生活に深く関わっている印象はあまりない。最近は観賞用のミニサボテンがあるが、日本では食用としてもほとんど流通しておらず、多くの人にとって遠い国の砂漠に生えているイメージだろう。

そんなサボテンが、バイオ燃料として私たちの生活に浸透するかもしれない。高さ5~7メートル、直径1メートルにまで成長する巨大なサボテンことオプンチアのトゲトゲした皮から、バイオ燃料を生産する取り組みがメキシコで行われているのだ。食用や飲用、薬用として使われた後に残った、通常では廃棄物になる皮を活用したグッドアイデアである。

サボテン

Image via shutterstock

発案者は、メキシコ南西部のシタクアロで農業とトルティーヤの生産を行っているロペス氏。燃料費を削減したいと考えたのがきっかけで、仕事仲間のロドリゲス氏とオプンチアの皮を蒸し、発酵させて、バイオ燃料を生産する方法を考案した。2人はNopalimexという会社を設立し、農業機械用にバイオガスを提供したり、地元シタクアロの公用車に燃料を提供したりしている。価格は1リットルあたり12メキシコペソ(約68円)と、通常のガソリンの3分の2程度だ。

今までバイオ燃料に使われる植物と言えば小麦、サトウキビ、大豆などが一般的だったが、行き過ぎた生産が森林破壊を引き起こしているという現状もある。例えばブラジル中央部にあるサバンナ地帯のセラードでは、過去11年間、大豆の生産のためイギリスのウェールズに匹敵する広さの土地が開墾されたという。サボテンは通常の農地で育つ植物ではないため、他の原料と競合することなく供給量を拡大できる可能性を秘めている。

サボテンは家を飾るインテリアであり、食べ物であり、燃料にもなる点は注目に値する。一方で、サボテンをバイオ燃料として利用することは、他の原料と同じように、行き過ぎたサボテン消費や環境破壊につながるリスクも秘めている。エネルギー開発にはバランスの取れた観点が必要だ。

【参照サイト】 This Mexican company is making biofuel from cactus plants
【参照サイト】 Nopalimex