炭素を減らすほど「お得」なローン。オーストラリアの空港が導入

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オーストラリアのゴールドコースト空港を運営するクイーンズランド空港株式会社(QAL)が2019年7月、空港の再開発に向けて国内初のユニークな融資契約を行った。コモンウェルス銀行やウェストパック銀行からあわせて1億豪ドルの融資を確保した「サステナビリティ・リンクド・ローン」は、空港のカーボンフットプリントの削減目標に応じて利子が変わるものだ。

オーストラリアは、世界で急増するESG投資(環境・社会・企業統治に配慮した事業への投資)が国内の全体投資額にたいして60%強となるなど、世界でも突出して持続可能な金融に力を入れている。

今回の融資契約の大きな特徴は、気候変動の原因となる炭素の削減に力を入れること。具体的には、空港の照明をLEDに変えたり、空調を炭素排出量の少ないものに変えたり、荷物運搬システムの運転モーターのエネルギー効率を改善したりすることに資金が使われる。そしてローンの利子が炭素削減率と連動しているので、QALが頑張るほど得をするシステムだ。

オーストラリア初のサステナビリティローンを導入した空港

コモンウェルス銀行の、機関銀行と市場の部門役員であるアンドリュー・ヒンチリフ氏によると、今回のQALと同銀行の間の融資はオーストラリアでも最大規模だという。「世界は急速に変化している。われわれは、クライアントのために革新的な社会課題解決方法を常に探さないといけない」とヒンチリフ氏。

また、QALはすでに過去数年間にわたり、ゴールドコースト空港以外のオーストラリア国内の空港でもサステナビリティプロジェクトを実施している。たとえばマウント・イサ空港では駐車場の日よけ部分に820枚の太陽光パネルを導入。タウンズビル空港では、ビルの管理システムを効率化することによって電気消費量を17%削減。ロングリーチ空港では、太陽光発電の屋根の導入により日中の電気使用料の95%をオフセットすることに成功している。

QALが運営する四つの空港では、乗客数が2018年に850万人を越え、今後20年で倍になると予想されている。何もしなければ、炭素排出量は乗客数に比例して増加するが、積極的にサステナビリティ・リンクド・ローンを活用することで、気候変動を引き起こさない空港づくりを目指すようだ。

出資側と投資を受ける企業が二人三脚で気候変動への対策を加速させるオーストラリア。大胆な気候変動緩和策に期待が高まる。

【参照サイト】Sustainability-linked loans first of kind for Australian airport
【関連ページ】ESG投資とは・意味
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