肉の税率引き上げで気候変動にストップを。ドイツ議員ら提案

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気候変動対策が急務となる中、環境負荷の高い肉食を減らそうという動きが強まっている。畜産業は、生産・輸送における大量の二酸化炭素・メタンガスの排出、放牧のための伐採による森林破壊、大量の水使用などにより、気候変動に大きな影響を与えていると指摘されている。英オックスフォード大学(University of Oxford)の2018年の研究によれば、2050年に世界人口が100億人に達することが予想される中、欧米諸国は現在の肉の消費量を90%削減する必要があるという。

少しでも肉食を減らそうと、ビーガンやベジタリアンといったスタイルを取る人や、週に何日か肉を食べない日を設けるといった人も増えた。しかし、気候変動対策にはより一層の肉の消費量削減が求められている。

そんな中、ドイツの社会民主党(SPD)と緑の党の議員らが8月7日、肉の付加価値税の税率を19%に引き上げることを提案した。現在は、肉はほとんどの食材と同様に7%の軽減税率で課税されている。肉の軽減税率を廃止することで、人々の肉の消費量を減らすのが狙いだ。

ドイツの人々の食文化の中で、肉は大きな役割を果たしてきた。それでも、気候変動への危機意識や動物福祉の観点から、肉の軽減税率廃止案には政党を越えて支持が集まっている。議員らは、増税によって得られる税収を国内の動物福祉をサポートすることに使うことを提案している。一方で、減収にさらされる農家の保護の観点から、追加税収を農家の支援に使用すべきだという意見や、肉の軽減税率廃止自体に反対の意見もある。ユリア・クレックナー農業大臣や「緑の党」党首のロバート・ハベック氏は今回の案に反対の立場だ。

同様の議論はデンマークやスウェーデンの議会でもなされている。ドイツの肉の税率引き上げは実現するか。実現したあかつきには、それが肉の消費抑制に効果をもたらすか。今後の動きに注目したい。

【参照サイト】Deutsche Welle “Germany: ‘Meat tax’ on the table to protect the climate”

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