ポルトガルが2027年までに「持続可能な観光立国」目指す

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「バカンスの地」として欧州でも人気の高い観光地、ポルトガル。首都リスボンでは、近年オーバーツーリズムの問題が顕著である。観光客が増え過ぎたことで、交通渋滞やごみ増加問題など、市民の生活に悪影響が出てしまっているのだ。一方で、観光事業はポルトガルの主要な収入源の一つであり、それを縮小することは国の経済に打撃を与えてしまう。

そこでポルトガルの政府観光局Turismo de Portugalが、2027年までにサステナブル観光立国を目指す方針を打ち出した。政府により承認された「2027サステナブル観光戦略」に基づき、国の観光政策のなかに持続可能性の視点を取り入れるという。

リスボンの観光名所 Time out Market

リスボンの観光名所 Time out Market Image via Shutterstock.com

また、同局は戦略の進捗状況を正確に把握するため、UNWTOやEurostatなどの国際機関の提言で「SITS(Sustainable Tourism Indicators System)」と呼ばれる監視指標を定めた。この指標は、環境・社会・経済という3つの側面の持続可能性をはかる。

01. 環境の持続可能性:水、エネルギー、廃棄物の効率的な管理。エネルギー効率、水の消費効率、廃棄物の対策を行う観光分野の企業数を90%増加させる。

02. 社会の持続可能性:ポルトガルの労働者の質を高める。観光客の季節差を減らす。観光開発プロセスに対する住民の満足度を向上させる。という3つの目標を念頭に置く。

経験が中級レベルの労働者を30%(2015年)から60%に、専門性を持った熟練の労働者を12%(2015年)から28%に増やす。季節差を37.5%から33.5%に減らし、年間を通して観光客の数を均等にする。観光のプラスの影響を認める地元住民の数を90%増加させる。

03. 経済の持続可能性:観光や宿泊の収入を増やす。ポルトガルでの宿泊者を2027年までに4890万人(2015年)から8000万人に倍増させる。観光による収益は、115億ユーロ(2015年)から2027年には260億ユーロと2倍以上に増やし、需要を分散し、経済発展を促進する。

このサステナブル観光立国のための実行計画は、経済を成長させ、地域を大切にし、知識を深め、接続性を高め、ポルトガルをプロモーションする、という5つの戦略軸に基づいている。

日本も観光立国に力を入れているが一方で、人気観光地では、年々増える旅行者で街が過密化し課題も出てきている。ポルトガルの戦略や計画は具体的で、今後どのような成果を生むか、注目したい。

【参照サイト】Turismo de Portugal