フィンランドのエネルギー会社、廃棄予定の麦わらから洋服づくり

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収穫の秋もそろそろ終わり。小麦畑では収穫のあと、残った麦わらのほとんどが廃棄されたり、畑で燃やされたりする。

この麦わらを有効利用しようと、フィンランドの大手エネルギー会社Fortumと、エコな繊維技術開発で知られるSpinnovaが、世界初の麦わらをつかった衣服を開発した。10月15~10月17日にバンクーバーで開催された「Textile Exchange Sustainability Conference」 で、ニットTシャツやジャケット、スカートなどが発表されている。麦わら帽子などに使われている有用な “廃棄物”をあえて衣服にし、しかもそれをエネルギー会社が仕掛けているというのがユニークなポイントだ。

麦わらでつくった繊維

(c) Fortum

Fortumの幅社長であるヘリ・アンティラ氏は、「現在廃棄されている麦わらを他の繊維に利用するこの技術は、大きな可能性をもたらす。今回のSpinnovaとの共同開発では、廃棄物に対するスマートな解決法を提供し、よりクリーンな社会をつくるFortumの一歩となるだろう。われわれは、さらに多くのパートナーとこのビジネスを進めていきたい。」と述べている。

「試用段階から今回の魅力的な繊維素材ができるまで、とても速かった。これは、麦わらベースの繊維の有用性がとても高いことを示している。」とSpinnovaのCEOであるジェーン・ポレーネン氏は語る。

今回発表された衣服は、製品やサービスに対する環境影響評価の手法「ライフサイクルアセスメント」によって検証が行われ、原料抽出や加工、製造における環境への影響が極めて小さいことが確認されている。

研究者らは、さまざまなバイオマスをテストした後、2019年初めにパートナーシップを発表。麦わらは当初、Fortumの関連会社Chempolis Oyによって開発された、非常に持続可能な分留(分離すること)技術で処理されていた。しかし現在はパイロット段階にあるSpinnova施設で、有害な化学プロセスを踏む必要なく、ミクロフィブリル化セルロース(植物繊維の大部分を構成する極小のナノファイバー)を機械で直接繊維に変えている。

FortumとSpinnovaの二社は、Fortumが将来建設を予定しているバイオリファイナリー(バイオマスを原料にバイオ燃料や樹脂などを製造する施設)において、農業廃棄物などを使用して持続可能な繊維生産を行うことを計画している。これからの展開が楽しみだ。

【参考サイト】Fortum and Spinnova present the world’s first wheat straw-based clothing
(※画像:Fortumより引用)