ニュージーランド、プラスチック製の肉用トレーや持ち帰りカップを段階的に禁止へ

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深刻なプラスチック汚染の問題を受け、世界の各地でプラスチック製品を廃止する動きが加速している。特に、一度使われるだけですぐに捨てられてしまう「使い捨てプラスチック」を廃止する動きが活発化している。

そんな中、プラスチックの使用を削減する方策を進めてきたニュージーランド政府が、新たな施策を発表した。リサイクルが困難なポリ塩化ビニルやポリスチレンでできた包装や飲料容器を段階的に禁止するというのだ。ポリ塩化ビニルやポリスチレンは、肉用トレーやテイクアウト用の容器、コーヒーカップ等によく使われている。

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Image via Shutterstock

ニュージーランドではこれまでにも、マイクロプラスチックが含まれる商品の国内販売禁止、使い捨てのプラスチック製ショッピングバッグの使用禁止など、政府がプラスチックの使用量を削減するための対策を進めてきた。今回も、政府が主導してプラスチック使用の廃止を進めようとしている点が注目される。

今回の発表とタイミングを合わせ、首相の主任科学顧問ジュリエット・ジェラード教授が報告書『ニュージーランドのアオテアロアでプラスチックを再考する』を発表した。報告書は、プラスチックにまつわるさまざまな数字やリソースを明らかにし、今後のビジョンを示している。そのうえで、「プラスチックのサーキュラーエコノミー」へと移行するため、国家的なプラスチック行動計画を実施することを勧告している。

他国に目を向けると、EUでは使い捨てプラスチックの使用を禁止する取り組みが進められ、プラスチック製の使い捨てストロー、綿棒、食器類などが2021年までに全面禁止される見込みである。カナダや台湾やインドなどでも、使い捨てプラスチックを禁止する試みが段階的に行われている。

日本も、政府が2020年7月のレジ袋有料化を目指すなど、プラスチック削減に向けた動きが始まってはいる。しかし、いまだスーパーマーケットでは過剰なほどのプラスチック包装がなされ、多くの店でレジ袋やショッピングバックが使用されていることを考えると、使い捨てプラスチックの問題への取り組みは十分とは言い難い状況だ。日本の1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量は、アメリカに次いで世界第2位。プラスチック大国として、国際的な責任を自覚した対策が急がれる。

日本と同じ海洋国家であるニュージーランド。「環境先進国」として、政府がリーダーシップを発揮しプラスチック問題に対して様々な政策を行っている姿勢から、日本も学べることがあるはずだ。

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【参照サイト】Prime Minister aims new plastics ban at meat trays and takeaway cups(stuff)
【参照サイト】Our Seas Our Future welcomes second phase of plastics ban – Our Seas Our Future
【参照サイト】ニュージーランドのアオテアロアでプラスチックを再考する
【参照サイト】Single-use plastics: A roadmap for sustainability(UN environment programme)

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