ブルーボトルコーヒーが使い捨てカップ廃止。2020年末までに全米で「廃棄ゼロ」目指す

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青いビンのマークが特徴的なブルーボトルコーヒーをご存じだろうか?ブルーボトルコーヒーは、米カリフォルニア州で生まれたコーヒー生産販売企業だ。米国内で80店舗以上を展開し、日本でも東京、京都、神戸に複数のカフェを構えている。

そんな同社が、2020年末までに全米で「廃棄ゼロ」を目指すべく、カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアのカフェ2店舗で使い捨てカップを廃止する実験を発表した。来店客は、マイカップを持参するか、デポジット料金が加算されるカップを使用することになる。また、袋入りのコーヒー豆販売も停止し、代わりに豆は量り売りとなるので容器を持ち込む必要がある。

ブルーボトルコーヒーは、以前からプラスチックストローは紙製ストローに、使い捨てのプラスチックカップは100%堆肥化できるサトウキビカップに切り替えている。しかし、使い捨てということで飲み終わったカップはお客さんがゴミ箱に捨ててしまうため、毎年消費する約1200万個のうち、多くが堆肥化されることなく埋め立て処分されていた。こうした問題を受けて、使い捨てをなくす計画が生まれたのだ。

ブルーボトルコーヒー

Image via Blue Bottle Coffee Lab

今回の実験が成功した場合、使い捨てカップ廃止を、米国中の店舗にも広めることも検討されている。ブルーボトルコーヒーのCEOブライアン・ミーハン氏は、「多くの人に消費について考えてもらえるよう、チャレンジしています。昔、牛乳瓶を使った後も再利用していた時代に逆戻りしてみるのです」と述べる。

ミーハン氏は、メニューの価格を引き上げるつもりはなく、実験を行うカフェは通常よりも収益は減少するという見通しを立てている。顧客が持ち帰り用のカップをどこかで返却しなかった場合、実際のコストはデポジットより高いため、損失が出る。また、使い捨てカップの便利さを好んで、来店しなくなる層が出ることも予想しているという。

同氏の話から分かることは、「高収益が出る=成功」とは考えていないことだ。ブルーボトルコーヒーは減収覚悟で、廃棄ゼロを目指すことになる。

しかし、経済的に継続できずにいれば、元も子もなくなってしまう。今回のような企業の積極的な環境対策に対して、私たち消費者や他のパートナーが共感し、企業を後押しできれば、やがてそれは世の中を動かす大きな力になるだろう。ブルーボトルコーヒーの廃棄物ゼロの取り組みには、引き続き注目していきたい。

【参照サイト】Blue Bottle Coffee Lab – How climate change is inspiring us to waste less and do more

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