イギリスのテスコは2月24日、大手スーパーとして初めて3種類の肌色の絆創膏を発売した。これまでベージュ一色のみを取り扱ってきたが、多様な肌の色に合わせるためにライト、ミディアム、ダークの3種類の取り扱いを開始した。価格は約138円で、イギリス国内全741軒すべてのスーパーとオンラインショップで購入することができる。
発売のきっかけとなったのは2019年4月に世界中で多くの人の共感を集めた米カリフォルニア在住の男性のツイートだ。男性が生まれてはじめて自分の肌の色に合った絆創膏を使った感動を伝えたところ、世界中から50万件を超えるいいねと10万件を超えるコメントが集まった。
It's taken me 45 trips around the sun, but for the first time in my life I know what it feels like to have a "band-aid" in my own skin tone. You can barely even spot it in the first image. For real I'm holding back tears. pic.twitter.com/GZR7hRBkJf
— Dominique Apollon (@ApollonTweets) April 19, 2019
テスコのヘルス・ビューティ&ウェルネスディレクター、ニコラ・ロビンソン氏は「私たちには大手スーパーとしてお客様や従業員の多様性を反映した商品を提供する責任があります。今回の絆創膏の多色展開を開始したことは大切な一歩であり、他の企業やスーパーマーケットなどもこの動きに続くことを望みます」と述べた。
近年、企業の間で一色のみを「肌色」と想定していた商品やサービスを見直す動きが出ている。フランスの老舗トゥシューズメーカー、クリスチャン・ルブタンは2013年から「ベージュは”肌色”ではない」をコンセプトに多様な肌色に合わせた商品を展開。アップルは2015年から絵文字の肌の色を増やし始め、今では6色から選ぶことができる。日本国内では2000年頃から大手文具メーカー各社がクレヨンや色鉛筆の「肌色」という色名の使用を停止し、「うすだいだい」や「ペールオレンジ」に変更していた。人々の多様性を反映した商品やサービスを展開していくことは、誰もが自分らしく生きられる社会を実現するために必要不可欠だ。