グーグルとオランダEnvision、視覚情報を音声で知らせてくれるAIメガネを開発

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国際失明予防機関IAPBの調査によると、世界約73億人の人口のうち、約29%にあたる2.5億人が何らかの視覚障害を抱えているとされる。

そんな中、オランダのスタートアップ企業Envisionは、3月9日、AIによる視覚情報読み上げサービスをアメリカグーグル社のウェアラブル端末「グラス・エンタープライズ・エディション2」に搭載して発売することを発表した。Envisionのソフトウェアとグーグルグラスがひとつになることで、視覚障害を持つ人たちの日常から限りなく「障害」を取り除き、自由で自立した生活を送ることを可能にする。

Smart Glasses

Image via Envision

同社の提供するテクノロジーにより、メガネ型の端末をかけるだけでAIが周囲の風景や状況、人の顔、食品表示、色、手書き文字や文章などを認識し音声で読み上げてくれるため、視覚に障害があっても他の人の介助なしにできることが大きく広がる。日本語を含む世界60以上の言語に対応。すでに予約受付を開始しており、2020年8月に発売を予定、約23万円で購入することができる。

Envisionのメンバーとして今回グーグルグラス搭載に向け技術開発に関わり、自らも視覚障害のあるJoyさんは「この自由はかけがえのないものです。外出時、白杖や盲導犬の助け以上はもちろん大切なものですが、(このテクノロジーは)自立した生活を送る上で大きな変革をもらたします」と語る。

今回の発売にあたり公開された動画の中では、本の中から好きなレシピを見つけて買い物に行き、食品表示を読みながら買い物をして料理する女性のストーリーや、電車のダイヤ変更情報を読み移動する男性、会社の同僚たちにサプライズでバースデーケーキを渡され、状況を理解しロウソクの火を消す男性のストーリーなどが紹介されている。

私たちは驚くほど多くの情報を視覚から得ることで生活している。視力が弱い、もしくは目が見えない人たちがテクノロジーにより視覚情報を得られるようになることは、自分らしく生活し、働き、生きるために欠かすことのできない大きな一歩といえる。

【参照サイト】Envision
【参照サイト】GLASS ENTERPRISE EDITION 2

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