インドネシア・バリ島発の廃タイヤを再利用したフットウェアブランド・indosoleが、新たなフットウェア『ESSNTLS』を今夏から取り扱い、本格的に発売を開始する。
毎年15億本廃棄されるタイヤ
indosole誕生の背景には、深刻なタイヤの廃棄問題がある。世界では、毎年15億本もの大量のタイヤが廃棄されており、こうした廃タイヤは中間処理場に長期間放置されていたり、河川などに不法投棄されたりと、深刻な環境汚染問題となっている。また、熱帯諸国では、山積みにされた廃タイヤが蚊の繁殖地となり、マラリアやデング熱などの病気を蔓延させている。
タイヤは廃棄した後も長い間原形を留め、腐敗するまでには何千年もかかる上、廃タイヤが完全に土に還るのはほぼ不可能だと言われている。また、タイヤの燃焼に伴って排出される有毒物質の問題も深刻だ。発展途上国では廃タイヤを焼却して安価な燃料代替品として使用している例もあり、山積みにされた廃タイヤから起きる蓄熱火災も後を絶たない。これらの燃焼がもたらす大気、水質、土壌への汚染、そして人体に及ぼす影響は言うまでもない。
こうした状況の中、indosoleの創始者であるカイル・パーソンズ氏は、2004年に初めてバリ島を訪れ、バイクのタイヤをソールに使ったサンダルと出会ったのをきっかけに、世界の廃タイヤ問題について関心を持ち始めた。そこで毎年10億個以上の廃タイヤが埋め立てられている状況を知り、サンダルの素材として再活用したいという想いがさらに高まったという。
インドネシアの風景や人々に魅かれたパーソンズ氏は、リサイクルタイヤサンダルを開発することでインドネシアの汚染問題の軽減に少しでも貢献できればと願い、自身の起点となったバリ島に戻ることを決意。2009年にindosole社を起業し、パーソンズ氏は現在経営者としてindosoleチームメンバーと共に世界中で廃タイヤ革命を起こすチャレンジを続けている。
廃タイヤからインソールを生む独自技術
そうした社会課題を踏まえ、indosoleは行き場を失った廃タイヤを再利用し、耐久性に優れたフットウェアのソールとして生まれ変わらせる取り組みをスタート。廃棄されたタイヤを回収し、ソールに変える製靴工程を開発した。その工程に用いられるのは、タイヤを微粉に粉砕し、天然ゴムとリサイクルゴムに再構築する独自の技術だ。この技術により、廃タイヤを余すところなくソールに生まれ変わらせ、従来のコスト制限を無くし、環境への取り組みに貢献している。
さらに、indosoleは2014年にB Corpsとして認証されている。B Corpsとは、社会や公益のための事業を行っている企業に発行される民間認証制度のことで、フェアトレードやオーガニック製品と同じように、ビジネスのアカウンタビリティや透明性、社会的パフォーマンスや環境へのインパクトなどの条件をクリアした企業のみが取得できる認証だ。
世界で最も環境に配慮したフットウェアカンパニーを目指すindosoleは、今夏「ESSNTLS(エッセンシャル)」コレクションでさらに一歩前進した。シンプルなデザインと柔らかなフットベッド、豊富なカラーバリエーションを揃え、快適さや耐久性、手頃な価格を重視した、エコロジカルなサンダルのコレクションとなっている。
エコ先進地域・バリ島からサステナブルな一足を
現在インドネシアは人口が世界第4位であり、グローバル企業が投資を続け経済成長が期待される中、環境問題にも配慮した政策が注目されている。国を挙げた環境対策のモデルケースとして選ばれたバリ島は、世界で最も行きたいリゾート地として毎年トップに選ばれ、多くの観光客が足を運んでいる。加えて、島の持つ自然豊かな環境や、独特な芸術文化に魅せられ、世界中から多くのクリエイターが移住してきており、環境問題に対し新たな解決策を創造している。そんな世界中から集結したクリエイターたちと共に、indosoleもバリ島から世界に向けて「エコ」や「サステナブル」のコンセプトに基づき、新たなファッションの解決策を発表し続けている。
そんなバリ島で生まれた次世代の環境ソリューションに貢献するフットウェアコレクション 「ESSNTLS」。この夏は、サステナブルな一足を身につけてみてはいかがだろうか。