停車ボタンはスマホ。英国発、ウィズコロナ時代の公共EVバス

Browse By

新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大を受けて、世界各国でロックダウンという都市封鎖が起こり、電車やバスなどの公共交通機関でサービスが縮小された。

イギリスでは3月下旬よりロックダウンが始まり、5月より行動制限が緩和されている。制限が緩和され、多くの人が職場に戻るように奨励されている中、政府は公共交通機関での移動を避け、徒歩や自転車、自動車での通勤を促しているが、そういった手段が難しく、公共交通機関を使わざるを得ない人もいる。

そのような状況下で、イギリスのスタートアップArrivalはEVバス「Arrival Bus」を発表し、ウィズコロナ時代の健康管理に配慮した公共交通機関の利用を促進している。

Image via Arrival

Arrival Busは、環境負荷の少ない電力走行とソーシャルディスタンスを可能にするフレキシブルな座席が特徴的だ。乗客の間に樹脂製ガラスの仕切りを取り付けることができ、またスマートフォンアプリを使ってボタンを触らずに停車のリクエストを送ることもできる。

2015年に設立されたArrivalは、電気商用車の生産を通して、都市がゼロエミッションの目標を達成できる世界を目指している。今回発表されたバスだけにとどまらず、カーシェアリングやタクシー、配送ロボット、そして充電ステーションなどを含む公共交通のエコシステムの構築を計画している。Arrival Busのプロダクト責任者であるBen Jardine氏は「各自動車関連企業と協力し、公共交通機関がカーボンニュートラルの達成を実現できるようにサポートしていく」と話す。

Arrival Busはモジュール生産方式を用いた地元の小規模工場で製造され、今後展開されていく予定だ。地方のサプライチェーンの利用や雇用創出、地方税を支払うことなどで、地域経済の再生を目指している。現在、Arrival製品はまだ実用化されていないが、2026年までに世界中で1,000軒の自動車生産工場を展開し、自社ですべての電気自動車を生産することを計画している。

経済活動が再開しはじめた今、ソーシャルディスタンスを保ちながら安心して利用できる公共交通機関は必須となっていくだろう。今後のArrivalの動向に注目したい。

【参照サイト】Arrival
【参照サイト】新型ウイルス感染、公共交通機関はどれくらい危険?

FacebookTwitter