さんさんと太陽が降り注ぐ、夏真っ盛りのシーズンが到来した。今年はどんな水着を選ぼうか、悩んでいる人もいるだろう。中央ヨーロッパのオーストリアでは、今夏の水着業界の顔ぶれに、異色ともいえる有名ファストフードチェーン店プロデュースの水着が並ぶことになった。
マクドナルド・オーストリアが、自社で使用していたプラスチック・ストローと、海を漂っていたプラスチックごみを使い、オリジナルの限定水着を作り上げたのだ。白地にマクドナルドの伝統的な赤と黄色のラインが入っているという、同社のストローの色のようなデザインで、どこかレトロな雰囲気も漂う。開発は、サステナブルな素材から衣服をつくるオーストリアのファッション社、Poleitが行った。
オーストリアのマクドナルド店舗では以前から、プラスチック廃棄削減のため、自社で使用するプラスチック・ストローをリサイクル可能な紙ストローに置き換えていた。利用客からリクエストがあった場合にのみプラスチックストローを付けているが、それ以外では、ほぼ使われなくなったのだ。
そこで作られたのが今回のオリジナル水着である。行き場をなくしたプラスチックストローは、水着となって第二の人生を歩むことになった。性別にかかわらず使うことができるこの水着は現在、マクドナルド・オーストリアのウェブサイトにて抽選・限定販売されている。
地球上で発生し、いま大きな問題となっているプラスチックごみ。そのうちおよそ50%が使い捨て製品だったもので、ごみのリサイクル率は9%だ。世界経済フォーラムは、2050年までに海洋に漂うプラスチックの重量が魚の量を上回るという予測を出している。
プラスチック削減の意識変革は、ファストフード業界にも及んでいる。今回の取り組みは、使われなくなり「ごみ」になったものと、海から回収した廃棄プラスチックを、ユニークなデザインの製品にアップサイクルした好例だ。
Edited by Kimika Tonuma
【参照サイト】McDonald’s Straws Go for a Swim – Sustainably
【参照サイト】Poleit