「腐ったにおい」を発するステッカーが、食品ロスを減らす理由

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毎日食べる食事。スーパーへ買い物に行くと、安売りされていたからつい買いすぎてしまい、気付いたら食べきれず期限切れ。そんな、期限が過ぎてしまった食品を前にしたとき、皆さんはどうするだろうか。すぐに捨てる?食べれそうであれば食べる?誰かにあげる……?

消費者庁が平成29年に徳島県で実施した実証事業では、まだ食べられる食品が捨てられた理由の11%が「期限切れ」(賞味期限切れ6%、消費期限切れ5%)であった。また英国では、3分の1の人が食品が悪くなったかどうかを賞味期限のみで判断している(※1)

こうした賞味期限切れの食品ロスを削減するため、英国に本拠を置くイニシアチブ「Too Good To Go」が、食品がまだ食べられるかどうかがわかるステッカー「Smell By labels」を開発した。

においがするステッカー

image via Too Good To Go

Smell By labelsは、英国で廃棄されることが多い4つの食品(卵、オレンジジュース、ビール、オーツ麦)を対象につくられており、このステッカーをこすると、その食品が本当に食べられなくなったときのにおいがする。消費者は実際の食品のにおいをかぎ、ステッカーのにおいと比較することで、まだ食べられるかどうかを判断できる。

同イニシアチブは、これらの食品が食べられない状態であることを以下の指標によって検出できるとしている。

  • :硫黄臭は、食べられないことを意味する
  • ジュース:刺激的な酢の臭いは、ジュースが発酵し始め、おいしく飲めないことをを意味する
  • ビール:スカンクのような臭いは、飲むのが非常に不快であることを意味する
  • オーツ麦:酸敗した油臭は、食べるのが不快であることを意味する

    ステッカー開発において、同イニシアチブは香りの専門知識を10年間蓄積し、100万ポンド(約1億3,000万円)の保険がかけられた鼻孔を持つ、ダリウッシュ・アラビ氏と提携を結んだ。

    現在、日本の食品廃棄量は年間643万トンと推計されており(※2)、世界ではその量が約13億トンにも上るという。食糧不足によって苦しむ人がいる一方で、人の消費のために生産された食料の約3分の1が廃棄されている今(※3)、食品ロスは世界全体で取り組むべき課題である。実際に食品が悪くなったときのにおいがするステッカー「Smell By labels」は、私たち消費者一人ひとりの意識を向上させ、食品ロス削減に貢献するかもしれない。

    ※1 Too Good To Goより
    ※2 平成28年度 農林水産省・環境省
    ※3 2011年 国連食糧農業機関(FAO)

    【参照サイト】SMELL-BY LABELS TO SNIFF OUT UNNECESSARY FOOD WASTE
    【参照サイト】もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう

    Edited by Tomoko Ito

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