暗号資産ビットコインの仕組みで作る「誰にでも平等なヘルスケア」とは

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最近、ニュースやSNSなどで「医療崩壊」「ヘルスケアシステムの限界」といった、ヘルスケアの現状に関する声が散見される。WHOの調査(2017年)によると、新型コロナが蔓延する前から、世界の約半分の人々は医療サービスが利用できない状況に置かれているという。

世界を見渡してみると、国民皆保険制度がない国や地域では、人々は民間の保険に加入せざるを得ない現状がある。保険料を支払う余裕がなく保険に入れない低所得者層は、実質的に医療へのアクセスが難しい。また、たとえ保険に入っていても、自身が払う保険料によって受けられる医療の質に大きな差があるのも大きな問題だ。

一方、テクノロジーによって全ての人に平等なヘルスケアを届けるための動きも着実に進んでいる。その一つが、暗号資産ビットコインで使われているブロックチェーン技術(※1)を活用した、「患者が自分の健康情報を自分自身で管理・所有できる電子カルテ」である。

※1 二者間の取引を記録するデータベースのこと。取引の参加者が、自律的に取引履歴を記録し続ける仕組み。システムを管理する中央管理者が必要ないこと、それゆえに改ざんが非常に困難であることが大きな特徴。

ピアツーピアのイメージ

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ビットコインに関する情報を発信するBitcoin Magazineは、従来の医療システムの問題点の一つとして「仲介者の存在」を指摘する。患者が自身の健康に関する情報にアクセスすることを阻み、非効率を生み出しているというのだ。

しかし、ピアツーピア(※2)の電子カルテが広がり、これまで保険会社や医療機関によって管理されてきたデータが患者自身の手に渡ることで、患者はデータを元手に医療をタダで受けられるようになるかもしれないと期待されている。患者の健康情報は、医薬品の研究機関や保険会社など、さまざまなプレーヤーにとって価値の高いものとなるからである。

※2 ネットワークに接続されたコンピューター端末同士が直接通信する方式。ここでは、保険会社や医療機関といった仲介者を省いて、患者が自身の健康データと直接つながることを指す。

私たちは日々、自分たちの検索データをGoogleに提供することによって、無料で検索エンジンを使用しているが、それと同じようなことが医療の領域でも起ころうとしているのだ。

そもそもこれまで、ヘルスケア業界はDXに大きく立ち遅れていたため、カルテの情報は十分に活用されてこなかった。そのため、患者の情報が正しく記録され、活用されることで、医療や患者へのケアの更なる進化が期待できる。

また、ブロックチェーンを用いた電子カルテが普及し、患者が自分の情報をどこにでも持ち運べるようになれば、患者が従来とは別の病院にかかったとしても、これまでの病歴・治療歴を踏まえたうえでの適切な医療が受けられるようにもなる。

健康に暮らしていくこと、そのために必要な医療を受けることは、基本的人権と言ってもいいだろう。インターネットへのアクセスは、誰にでも平等に開かれたものになりつつある。テクノロジーの発達によって、医療も同じくらい、誰にでも平等に開かれたものになっていくことを願う。

【参照サイト】BITCOIN CAN FUND HIGH-QUALITY, EQUITABLE, HEALTHCARE FOR EVERYONE

Edited by Kimika

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