ゲームの世界から、現実世界を救う?中米コスタリカに森を作るNFT「Alóki」

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仮想空間や、ゲームの世界でとった行動が、現実の世界に影響する。そんなフィクションのような話が、ブロックチェーン(※1)技術によって実現しそうだ。

※1 金銭の取引記録といった情報を管理する技術のこと。データの改ざんが非常に困難で、ビットコインなどの暗号資産を支える技術や、洋服のサステナビリティを透明化・可視化するスマートタグなどに使われている。

「Alóki」は、中米・コスタリカのジャングル散策をバーチャル体験できるゲーム。近年徐々に広がりつつある、「NFT(※2)ゲーム」の一種だ。これで遊ぶと、現実のコスタリカの自然に良い影響をもたらす。ゲーム内でNFTを買うたびに、コスタリカ現地の熱帯雨林に木が1本植えられるのだ。

※2 ブロックチェーンを活用したゲームのこと。自分のオリジナルキャラクターやアイテムを作成でき、遊んでお金を稼げることが特徴とされる。

Image via Alóki

Image via Alóki

NFTゲームは通常、遊びながらお金を稼げることが特徴であり、「Play to Earn(稼ぐために遊ぶ)」という新しい概念すらも生まれている。

一方、Alókiのコンセプトは「Play to Own(所有するために遊ぶ)」だ。Alókiの最高執行責任者であるバルテック・レホフスキー氏は、同国に「Alókiの聖域」と名付けた750エーカー(約3平方キロメートル)の土地を所有。この土地に、1万本以上の木を植えることを目指すという。

ユーザーがコスタリカに植えられた木を所有する仕組みがあることで、プレイヤーは遊びながら環境保全に貢献できる仕組みだ。

Alókiは植林の他に、微生物の生育やコンポストの仕組みなども取り入れ、メタバース内でのさまざまな行動が現実世界に反映されるようにするという。ゲームを通してサステナブルな行動を積み重ねたプレイヤーは、実際にAlókiの聖域に行けるチャンスもある。

コスタリカは、国の持続的な幸せを測る指標である「地球幸福度指数」において、何度も第1位を獲得している国だ。国内電力の98%超を再生可能エネルギーで供給している(※3)ことも、注目を集めている。

※3 連続7年半、再生可能エネルギーでの国内電力供給率98%超を維持(コスタリカ)

ゲームをきっかけに、人にも地球にも優しい国づくりを進めるコスタリカに触れてみてはいかがだろうか。

【参照サイト】Alóki Home | Blockchain gaming with positive real-world impact
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